出版社内容情報
武芸の達人や妖術使いなど,宋江をはじめ108人の豪傑が,梁山泊を根城に弱きを助け強きをくじいて大活躍.中国と日本で長年にわたって親しまれてきた,中国四大奇書の1つ.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
徒花
428
おもしろくて、読みやすい。けれど、どう考えても登場人物の大半が豪傑というよりも「チンピラ」にしか見えないのはワタクシだけだろうか……。びっくりするくらい簡単に人を殴ったり殺したり、モノを盗んだり、奪い取ったり、家に火をつけたり、だましたりするので、読んでいるとだんだん感覚がマヒしてくる。「良い人」と「悪い人」の違いがよくわからなくなってくるのだ。とくに魯智深! おまえはいくらなんでもすぐに人を殴りすぎだろう。血気盛んすぎる。ポコポコなんてかわいいものじゃないぞ2016/07/24
saga
58
水滸伝を読むきっかけは筒井康隆著『俗物図鑑』なのである。きっかけが俗物だ。天保水滸伝や梁山泊という単語は知っていたが、本家本元の物語は初読み。中国の古典らしく、登場人物の行動などのスケールが大きい。物語の発端での伏魔殿に封印された108の妖魔を逃がしてしまう話は、どこかパンドラの箱を彷彿させる。軍人などそれ相応の地位にあった者が、陰謀、短気、欲望などから罪を得て梁山泊に集まっていくことろで上巻が終わる。梁山泊の頭領だった王倫が思えば哀れだ。武芸の腕はなくとも知恵で統率することもできたかも知れないのに……。2024/01/10
たつや
46
ずっと気になっていた「水滸伝」岩波少年文庫のラインナップにあったので、やっと読むことが出来ました。とは言え、まだ上巻のみ。先は長い。事の発端は洪大尉にイライラしつつも漫画チックな展開が面白かった。その後に、どんどん出てくる人物が多いので、やはり、人物紹介や地図のページは力を入れて作って欲しいところ、ましてや、これ児童書ですしね。1章~22章までを収録している。まだ頭の中で、全体像が見えていない。中巻はどんなだろう?2017/01/20
鮭
16
この世に正義はないのかといった印象。とにかく破天荒。力の強いものが勝つ世界で、義理に厚い人物もあくまで侠の世界の中の話。これで岩波少年文庫なのだから、原著のすさまじさが窺える。2015/11/19
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
14
物語は108人の豪傑たちが、梁山泊(彼らの寨の名前)に集結する前と後のおはなし。前半は豪傑たちの個々の活躍が書かれていて、後半は梁山泊集団が宋という国の軍隊になる戦記ものになっている。宋という国の4代皇帝(仁宗)の時代に都で疫病が大流行したことから始まっていく。途中訳が分からなくなり、メモをとりながら読み進めました(笑)その分じっくり読めて面白かったです。水滸伝は初めて読むので、岩波少年文庫を勧められました。2020/03/09