出版社内容情報
陰謀によって結婚直前に牢獄に囚われの身となった青年エドモン.14年後脱獄した彼は,モンテ・クリスト伯となって,次々と復讐をとげていった….正義と愛にあふれる壮大なロマン.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おか
29
いよいよ 悪人の巣窟(笑) パリへのりこんだダンテス!用意周到、準備万端 整えて行く。読む身としては バッサバッサと悪漢を倒して欲しいところだが そこはそれ 14年間も獄中で耐えたダンテスとしては 知力 財力を総動員して根回しが必要だということだ 笑。デュマは 劇作家でもあったので 視覚的にも読み手を楽しませる。所謂 一人何役もこなしていくあたりは その表れであろう。さあさあ いざ 最終巻へ!2016/07/20
わむう
21
登場人物が多いため上巻を読了中は自分で相関図を作って読んでいたのですが、中巻からは巻頭に登場人物紹介が書かれているので読みやすいです。2018/06/19
カラスノエンドウ
20
再読。無人島へ行くなら、私はこの本を連れていきます。登場人物が増えに増えて、寂しくないから(笑) 出揃った役者に渦巻く欲望、人間の業の深さ。中巻はモンテ・クリスト伯爵の妖しい魅力にしびれる。敵へ言い放つ皮肉が小気味よくてたまりません♡【祝・岩波少年文庫創刊70周年!】2020/05/09
フリウリ
18
モレルとモルセール、アルベールとアンドレアなど、名前の似ている登場人物のおかげで、やや混乱しつつも、楽しんで読みました。岩波文庫だと7冊分の分量を3冊にしていますが、小説が動いている風景、登場人物の性格や感情を示しもする容貌などは、文章を通じて、砂に滲み込む水のように、読者に伝わり、馴染んでくるものだと思うので(そしてそれは長い小説ならばなおさら、と思うので)、そのぶん何か足りない気になって、特に気にしなくてもよいことが、気になるのではないか、と思いました。十分おもしろいのですが。82023/12/09
kagetrasama-aoi(葵・橘)
18
エドモン・ダンテスを陥れた三人が、それぞれ爵位を持って(当時は爵位が変えた時代)、成功しているのでより復讐心が唆られていくのがよくわかります。そして、やはり、メルセデスにたいする複雑な感情がこの物語をより面白くしていると思います。一番の仇敵フェルナンとの間に生まれた息子アルベール、この息子には何も罪が無いのに……。とエドモンも苦悩します、それが物語に深みを齎しています。でも、エドモンの獄中の悲哀、悲嘆を知っている読者はもう何が何でも復讐を果たして欲しいと願いつつ読んでしまいます。下巻へGOです。2018/10/15