内容説明
同心・木村忠吾が男色の侍に誘拐されて…「男色一本饂飩」。平蔵が乞食浪人に化けて大立廻り…「土蜘蛛の金五郎」。盗んだ三百両を人知れず返しにゆく老盗人の名人芸…「穴」。地震にさえ腰を抜かす弱虫の同心が、妻女を殺されて命をかけての敵討ち…「泣き味噌屋」。他に三篇を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
122
11巻目は7つの話は収められていて、特に最初の「男色一本饂飩」にはいつも笑わされます。私はコミックでもこの話だけはいつもイメージに浮かびます。テレビではこの災難に会う部下を古今亭志ん朝が演じたというのですが見てみたかったですねえ。そのほか盗難の名人が自分の腕前を披露する話や「毒」をめぐる幕府の重臣の話などいつも楽しませてくれます。2017/05/29
s-kozy
69
ついに「男色一本饂飩」なんて言う同心が男色の侍に誘拐される話も出てきてしまうバラエティに富んだシリーズ11作目。池波先生、余裕綽々といったところでしょうか。「叱。声(こい)が高い」「鮒が安い」とか「めったに竹刀の音もしないということですぜ」などの脱力するしかない会話も出てくる。そして、「人間という生きものは理屈とは全く無縁のものなのに……どうも、得てして理づめに生きたがるのがおかしい」という人間洞察。多彩な魅力に溢れた娯楽小説ですね。2014/06/30
ポチ
64
兎忠の「操を、まもりぬきました。まことでございます」には笑っちゃいました。良かったね‼︎『密告』は切なかったけど清々しくいい。鶴吉と莫逆の友⁈の録之助の話もいい。全編楽しめました。平蔵は心の機微がわかる頼もしい親方ですね(^^)2017/05/03
佐島楓
51
前の巻を読んでからだいぶ間が空いてしまったので、入り込めるか案じたが、心配は無用だった。時代劇のヒーローものとして、誠に面白い。堪能させていただいた。2015/09/16
金吾
46
◎この巻は好きな話が目白押しです。家族を考えさせられる「泣き味噌屋」「雨隠れの鶴吉」が特にお気に入りです。2025/03/06
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- 和書
- ルターを学ぶ人のために