出版社内容情報
トム・ソーヤーとの冒険で大金を手に入れたハックは、ダグラス未亡人の元で堅苦しい生活を送る。そこへ金を目当てに飲んだくれの父親が現れ、ハックは逃亡奴隷ジムと、筏でミシシッピをくだる旅へ。新訳。(上下巻の下)
内容説明
サギ師たちが引き起こすさわぎに巻き込まれながら、ハックとジムの旅はつづく。だがハックは悩んでいた。奴隷を逃がすなんていう大それた犯罪を、本当におかしていいのだろうか…。みずみずしい新訳でおくる、アメリカ文学の原点。小学5・6年以上。
著者等紹介
トウェイン,マーク[トウェイン,マーク] [Twain,Mark]
1835‐1910。アメリカの作家。本名サミュエル・ラングホーン・クレメンズ。ミズーリ州に生まれ、ミシシッピ河畔で少年時代を過ごした。11歳で父を失い、印刷工となってほうぼうを渡り歩き、やがてミシシッピ川の水先案内人となる。南北戦争に2週間ほど従軍したあと、1862年に新聞記者となり、文筆の道に進む。代表作に『トム・ソーヤーの冒険』『王子と乞食』『ハックルベリー・フィンの冒険』がある。ユーモアと痛烈な文明批判を織り交ぜた作風は、後世に多大な影響を与えた
千葉茂樹[チバシゲキ]
1959年、北海道生まれ。翻訳家。絵本から読みもの、ノンフィクションまで幅広い作品を手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たま
80
上巻の終わりごろに大地主たちの私闘が語られ、ここから物語が紡がれるのかなと期待したが、川を流される家(中に死体)や蒸気船(中で殺し合い)の逸話と同じく、社会の暴力性を示すだけで過ぎ去ってしまう。王様と公爵を詐称する香具師の逸話も同じ。ミシシッピ川の流れのように出来事は流れ去り、人も経歴を詐称しつつ流れ去り、最後は何とトムの親戚の家と言う小さい世界に行きつく。19世紀後半にフランスの作家が試みたような社会全体を描くということは、このバラバラ社会では難しく、筏で川下りと言う表現が最適解だったんだなと思う。2025/08/16
yumiha
45
下巻でもハックは逃亡奴隷ジムのことで悩んでいる。最後には地獄に落ちることを覚悟して、ペテン師に40ドルで売られてしまったジムを助けようと決意したのだが…。そして偶然(神様のご都合主義?)登場したトム・ソーヤーと共にジム救出作戦を練り準備する。が、トムの面倒で難儀でうっとおしい作戦にハックは振り回される。ハックの簡単な救出方法でエエちゅうのに、トムは何を考えているんだ?そのわけが明かされるラスト、ポリーおばさん(まで登場)の「生皮を引っ剝がさなきゃ」の気持ち、同感ですわ。せめて蹴り飛ばしてやりたい。2023/01/05
mntmt
28
想像以上に良かった。読んで良かった。読まずに死ねない、素晴らしい本だ。いろいろ翻訳が出てると思うけど、あえて、千葉茂樹さんの訳で読みました。2018/02/13
やまはるか
25
上巻の終盤から登場したニセの侯爵と王様が関わるドタバタが延々と続き、年代の古さを差し引いても物語として閉口した。アメリカ文学の不朽の名作として読むと、逃亡奴隷であるジムの存在が大きな役割を果たしている。奴隷は人でありながら人に所有される。奴隷が人の財産であることを奴隷のジムもハックも承認しているところにこの物語の時代背景があり真実がある。2024/12/08
eriko*
20
わたしもまた少年に生まれ直したい!と思わせるお話。 今と比べて、良いことばかりじゃないのは100も承知だけれど、冒険に満ちていたワクワクの時代背景も魅力的。2019/02/04