出版社内容情報
階段だらけの屋敷に隠された伯爵家の宝と,その宝を探す資格があるために屋敷にとらわれている男の子――.伯爵家の秘密を知った新米教師フランス先生は,さだめか,はたまた偶然か,予言の指し示すまま,奇妙な冒険をすることになります.どんどん謎にひきこまれる,読みご
内容説明
伯爵家の宝が隠された階段屋敷。そこに捕えられた正統な相続人の少年、ヘールト‐ヤン。フランス先生は、秘密作戦の仲間とともに、ぶじに少年を救出できるのか?屋敷に伝わる予言は実現し、宝は発見されるのだろうか?小学5・6年以上。
著者等紹介
ドラフト,トンケ[ドラフト,トンケ][Dragt,Tonke]
1930~。オランダの作家。当時オランダの植民地だったインドネシアのジャカルタに生まれる。第2次世界大戦中の1942年から3年間、家族とともに日本軍の収容所で過ごし、戦後、オランダに帰国。ハーグの造形美術アカデミーで学び、教師になる。1961年に『ふたごの兄弟の物語』を発表する。1976年には、「青少年文学のための国家賞」を受賞。2004年秋に、『王への手紙』が、オランダで過去50年間に出された子どもの本の中から第1位に選ばれ、改めて注目を浴びている
西村由美[ニシムラユミ]
東京外国語大学英米語学科卒業。1984~86年、オランダに在住。帰国後は、外務省研修所などでオランダ語を教えながら、オランダ語作品の翻訳に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たつや
46
昔のわらべ歌をヒントに、書かれたそうです。もしかしたら、大戦中に収容所に入れられていた作者の経験がメッセージとして隠されていたかも知れませんが、ついに見つけられなかった。つまり、違う?2017/04/25
北風
10
ファンタジーではないけれど、ちゃんと児童向けのミステリに仕上がっていると思う。予言に踊らされないぞと頑張るフランス先生だけど、赤毛のフランスは予言を信じちゃう。そんな主人公に対比するように、二重人格(?)の少年がいたり、雷帝の黒猫がいたりする。ちょっとファンタジーのようで、ちゃんと現実の中で伏線が回収されているところは好感が持てる。もう、赤毛のフランスは冒険には出ないんだろうか?2020/11/23
topo
8
森の奥深く佇む伯爵家の階段屋敷に伝わる古い宝探しの予言。ひょんなことから物語好きの教師が宝探しに巻き込まれていくお話。古いオランダのかぞえ歌に着想を得たという本作。章立ても展開も歌詞に沿って描かれ、冒険譚としても謎解きとしても楽しかった。上巻は少し読みにくさを感じたものの、下巻に入ってからは一気読みでした。2020/07/26
ぱせり
6
囚われの少年が、したたかで賢くて、状況をかなり楽しんでいる。気の毒な子というイメージとは程遠いのがよい。物語は大団円に向かって進む。詩の謎が解けたとき、「七つのわかれ道」(歌詞は巻頭に)をともに唱和したくなる。一章一章を思い出しながら。2025/06/15
kaze
5
★★☆ タイトル借り。トンケ・ドラフトのファンタジーには外れがないなぁ。オランダに伝わる七つのわかれ道のわらべ歌から着想した物語だそうで、数え歌を構成に取り入れているところや、謎解きの肝にもなっているところなど、巧みだなぁ。七つの分かれ道を通ってたどりつく奇妙な階段屋敷には伯爵家の宝が隠されている。宝を見つける場面が痛快で良かった。2013/01/28