内容説明
森に生まれた子鹿のバンビが、仲間たちと交わりながら、いきいきと成長する姿をえがく。初めて草原に出たときの喜び、狩人への恐怖、思春期の目覚め、自立と孤独…。森の動物の一生を愛情こめてとらえた、永遠の名作。小学5・6年以上。
著者等紹介
ザルテン,フェーリクス[ザルテン,フェーリクス][Salten,Felix]
1869‐1945。ハンガリーのブダペストに生まれる。本名ジークムント・ザルツマン。ウィーンで学び、劇評、戯曲、小説を書いた。1933年までオーストリアのペンクラブ会長。1938年アメリカに亡命。のちにヨーロッパにもどり、スイスで死去
上田真而子[ウエダマニコ]
1930年生まれ。京都ドイツ文化センター勤務の後、児童文学の翻訳を始める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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マエダ
96
動物からの視点がこの本の醍醐味であろう。人間をあいつと括り一色端にすることで動物からみた恐怖が伝わる。小学生や中学生にも分かり、かつ大人にも不足ない良い本である。2016/10/07
NAO
79
【「男祭り週間」参加】フランスの森。そこに住むノロジカたち。その森で、ある春の日生まれたバンビは、生まれたときから容貌がすぐれ、森の動物たちは彼の誕生を祝い、彼がやがて森の王者になるだろうことを予言する。というと、ライオンキングのようだが、主人公は鹿なので、そこまで派手な話ではない。なにしろ、鹿はどんなに立派な角を持っていたところで、草食で臆病な動物なのだから。だから、この話も、派手にバンビが活躍するという話ではなく、森の自然の豊かさ、そこに住む多彩な動物たちの暮らしぶりが生き生きと描かれている。2020/05/24
はる
66
思いの外深く、重厚で、考えさせられる内容でした。子鹿のバンビの成長を描く物語であると同時に、私たち人間と自然との向きあい方を問う内容ですね。四季折々の美しい自然。個性的な動物たち。だが、ほんの僅かな油断が死を招く厳しい世界。その情景を徹底した動物視線で描く作者の筆が見事。彼らの目に映る人間とは…。2010年に新訳された版なので読みやすく、言葉の違和感もありませんでした。2019/12/06
優希
44
子鹿の可愛らしい姿を描くと思いきや、命など生あるものを深く描いているのですね。森の動物たちの一生を愛情こめて描いていて、リアルさを感じます。自然は生きているのです。2023/06/23
おはなし会 芽ぶっく
12
12月予定の4・6年生のブックトーク授業【テーマ 冬休みに読んでみよう】用に選書。ディズニーが映画化。2019/11/04