出版社内容情報
夏休み、ウォーカー家の4人きょうだいは、小さな帆船「ツバメ号」に乗って、子どもたちだけで、無人島ですごします。40年にわたって親しまれてきた冒険の物語、全12巻改訳、刊行開始!
内容説明
船長フリントのハウスボートにどろぼうが入り、うたがいをかけられてしまったツバメ号の乗組員たち。船長フリントとの湖上の「決戦」や、ウの島での宝さがし、夜中のあらし…楽しい夏休みは過ぎてゆきます。小学5・6年以上。
著者等紹介
ランサム,アーサー[ランサム,アーサー][Ransome,Arthur]
1884‐1967。イギリスの作家。リーズ大学中退後、『オスカー・ワイルド』など文芸評論を書く。1913年にロシアに赴き、昔話を集めて『ピーターおじいさんの昔話』を刊行。『ツバメ号とアマゾン号』(1930)にはじまるランサム・サーガ12巻で児童文学作家の地位を確立
神宮輝夫[ジングウテルオ]
青山学院大学名誉教授(児童文学)。1932年、群馬県生まれ。早稲田大学大学院修士課程修了。イギリス児童文学の訳書多数。第12回国際グリム賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ずっきん
77
上巻はあくまで児童書って感じで読んでたけど、下巻の子供達の『本気の冒険ごっこ』の臨場感たるや、大人も巻きまれる。船と子供たちのリアリティが素晴らしい。大人目線で読んでも充分に楽しめる、いまだ絶賛の声が多いのも納得の書。2020/12/14
ぶんこ
57
面白かった。もう一度子供時代に戻って同じような夏休みを過ごしたい。親となって、子供にこんな夏休みを味わわせたい。ツバメ号もアマゾン号もキャビンのないヨットですが、だからこそ気軽に漕ぎ出せるのかな?気軽だけに親は心配でしょうに、子供の自主性を大切にしてます。スーザンが魚をさばいて料理したり、アマゾン号を迎え入れるために大掃除したりと、皆健気。ロジャを気遣う兄姉。友の為に一人で叔父さんに向かっていくナンシー。素直に謝る叔父さんも素敵。周りの大人の出しゃばらない気遣いも素敵でした。2017/04/19
帽子を編みます
54
夏休みの喜び、子どもだけで過ごす特別な日々、小学生だった私は、この本に魅了されました。大人になっても魅いられる気分はありますが、別の視点でみている部分もあります。見守る大人たち、特にウォーカーのお母さん、子どもの個性をみて、信頼して、素晴らしいです。今の自分を省みて、こんな風に振る舞えているでしょうか。子どもが、よその船に侵入した噂、夜間航海、きっとじっとしてはいられないだろうし、でも子どもは「ほっといて欲しい」と思うでしょうね。あらしでこの休暇はおしまい、でも来年があるのです。そう楽しみは続くのです。2021/01/23
たつや
52
本の装丁が新しく綺麗なので最近の作品かと思っていたら、約90年前の作品なんですね。微妙に、トムソーヤや、宝島、ロビンソンクルーソーにイメージや時代を被せて読むと更に楽しめました。でも、テレビもビデオもネットも漫画も無い時代の子供たちには、こういう本はご馳走だったと思える。作品ですね。ちょっと長い気もしますが。2017/01/17
seacalf
47
下巻は、フリント船長との和解や、ティティの大手柄など見処が多くてするすると読める。あらしのシーンが特にお気に入り。本を読む幸福感に酔いしれる。それにしても子供と大人の関係がなんと健やかなんだろう。トム・ソーヤやハック、怪しい探険隊に憧れていたずらばかりの悪童だった自分とは雲泥の差だ。同じく素晴らしい『土曜日はお楽しみ』のメレンディ4兄弟の話は未訳だが、ランサムサーガはなんと12作も続く。誰もが主役たるはっきりとした個性を持ち、魅力的なウォーカー兄弟。これからも間違いなく楽しい読書時間を約束してくれるはず。2017/08/14