内容説明
ランゲリュード農場の四人きょうだいは冬を迎えました。楽しいクリスマス、スキーやボーイ・スカウトごっこ…わくわくすることがいっぱいです。ノルウェーの美しい自然と愛情ゆたかな家庭から生まれた『小さい牛追い』の続編。小学4・5年以上。
著者等紹介
ハムズン,マリー[ハムズン,マリー][Hamsun,Marie]
1882‐1969。ノルウェーの人。夫は『土の恵み』という小説で1920年にノーベル賞を受けた、ノルウェーの有名な作家クヌート・ハムズン(1859‐1952)。洗練された都市文化を否定し、自ら原始的な農民の生活をした
石井桃子[イシイモモコ]
1907年生まれ。日本女子大学卒業。編集者・作家・翻訳家として、また児童図書館活動の草分けとして、戦後の児童文学界をリードしてきた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶんこ
56
ノルウェーの冬の厳しさはマイナス40℃の描写でもわかりますが、子供たちの通学がスキーやソリというのが想像力を刺激しまくりました。お隣の農場にはヤコブのいとこで貧血症の虚弱児ヘンリーが滞在。このヘンリーが意外とやんちゃで騒動を巻き起こします。ヒヤヒヤしましたが、ランゲリュード家の両親もヤコブの父も大らか。子どもたちも時には怒りながらも仲良く遊んでいます。牛追いで稼いだ報酬でクリスマスプレゼントを買う兄弟が可愛い。エイナールはやんちゃだけれど実に優しい。肺炎になったマルタのわがままも可愛い。面白かったです。2023/04/11
たつや
56
「小さい牛追い」の続編ですが、本当は一冊の本、だったものを、あえて2冊に分けたようです。個人的には1冊にしてもいいのにと感じました。本作では、とにかくクリスマスのシーンが良いですね。古き良き本と出会えた気分です。2017/04/12
NAO
51
ランゲリュード農場一家の日々を描いた物語、秋冬編。新学期の始まりのドタバタ。クリスマス休暇にやって来た隣人のいとことの交流、男の子たちの騒動。だが、こんな明るい子どもたちの間に影がさすこともある。末っ子マルタが肺炎になり、オーラとエイナールが夏に山で知り合った女の子インゲルはお母さんが死におばあさんに虐待されているという。それでも、春はすぐそこまで来ている。子どもたちの成長とともに、すべてが少しずつ良い方へと動いていく。オーラの思いも届きますように。2025/05/30
mahiro
36
小さい牛追いの後編、ランゲリュードの一家の秋と冬。学校が始まり新しい先生をみてマルタは真っ青に…隣のヤコブの家に来た従兄弟のヘンリー、クリスマス、そして絶対何事もなく済むはずがない男の子達だけのお留守番、樽の中に入って丘から転がり降りるエイナールとヤコブ思わず笑ったけど命にかかわる無茶苦茶さ。色んな事がギュッと詰まった冬が過ぎて、牛追いの少女インゲルが役僧さんに保護されてオーラと同じ教室になりオーラは思春期の入口に足を踏み入れるのか、無垢で無鉄砲でずっと続きそうな子供時代の短い事それ故にかけがえがないのだ2023/12/05
syota
31
『小さな牛追い』の続編。今回は秋冬編だ。前作は山の上の短くも美しい夏や動物たちの描写が印象的だったが、今回そういった面は控えめ。それでも、さらっと書かれたノルウェーの冬の描写はかなり衝撃的だ。3月になっても朝は零下40度、家々は雪に埋もれ、窓には厚い氷がはり、室内では常に丸太を燃やしている。子どもたちはスキーや馬橇で通学するが、時々手袋で顔を擦らないと顔が凍ってしまう。そんな極寒の中、体が冷えた末っ子のマルタは重い肺炎で死線を彷徨う。北極圏の冬のなんという厳しさ。ただ全体としては素朴でおおらかな物語だ。2025/09/16
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