感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
66
ノルウェイの牛飼いの一家を描く児童文学。自然とともに生きる彼らの生活が素朴な文体で描かれる。波乱万丈のプロットとは言えないけど、とにかく読ませる。4人兄弟の長男のオーラの淡い初恋が切ない。私も小さいときには、野山を駆け回っていたので、自然の中で生活する子供たちに、なりきって読むことができた。地に足がついた素朴な生活。大変な面はあるだろうけど、現在のようなテクノロジーに依存しすぎな生活より、生きる喜びを感じられるのではないかと思った。2013/04/17
のえる
58
図書館本。中川李枝子氏紹介本。ノルウェーの農場に住む四兄弟姉妹は両親と一緒に村中の牛やヤギをあずかって山の大きな牧場で夏を過ごす。自然豊かな場所で遊び仕事中に子どもらしいウッカリもしばしば…。ランゲリュード一家の素朴で暖かい日常物語。 自然を活かした遊びがおもしろそう!特に文明開化が進んだ都心部と比べると、季節の変化を五感で味わえる貴重な環境。 10歳のオーラと8歳のエイナール、幼さを感じられない勇敢さ。いつも危険と背中合わせの子どもたちに余計な手出しや口出しをせず穏やかに見守る大人の忍耐強さと懐の深さ。2021/12/08
NAO
49
ノルウェーの谷間をずっとのぼったところにあるランゲリュートという農場に住む子どもたちの四季を描いた物語、春夏編。この一家は、夏になると村中の牛や山羊を預かって山に連れていき一夏を山の牧場で過ごしているのだが、今年の夏は長男オーラと次男エイナールが初めて山で牛追いとしての仕事をすることになっている。春先から山に行くまでの子どもたちのあわただしい日々、そして、山でのしんどくて忙しいものの楽しい日々が、豊かなノルウェーの自然とともに詩情豊かに描かれていく。2025/05/27
ぶんこ
49
10歳のオーラと8歳のエイナールは家族と一緒に夏の間は山の家で過ごします。その間、村の人々から預かった牛と山羊を放牧をして育てるのです。オーラとエイナールにとっては大切な仕事。一日おきに交代で牛追いをする日々。これが結構大変で、読んでいてもハラハラすること多し。こんなに大変な仕事を、こんな小さい子がやっている!これをお駄賃欲しさと片付けることはできない。立派な仕事です。オーラは本が好きで空想好き、エイナールは陽気な働き者で気前がいい。長男ならではの葛藤がいじらしい。母親が大らかなのが素晴らしい。2023/04/11
たつや
43
先日読んだ「なつかしい本」で好評かだったので読んでみました。まず、牛追いってな~に?だった自分をジブリアニメのようにスーっとノルウェーの谷間の昔の農家、牧場を経営する家族の家に運んでくれるような素敵な本でした。面白かったです。そして、何よりも中川李枝子さんの、「牛追い」の思い出がよかったです。感動しました。2016/12/03