内容説明
真夜中の出会いをへて仲よくなったメアリとコリン。二人とディコンは、秘密の庭を生き返らせることと、魔法の実験に熱中します。いきいきしはじめたコリンを、お屋敷の召使いたちはふしぎに思いはじめますが…。小学5・6年以上。
著者等紹介
バーネット,フランシス・ホジソン[バーネット,フランシスホジソン][Burnett,Frances Hodgson]
1849‐1924。イギリスのマンチェスターに生まれ、3歳の時に父を失う。小さい時から文章を書くのが好きだった。16歳の時、一家はおじを頼ってアメリカに渡った。貧しい家計を助けるため原稿を売ることを思いつき、投稿した物語が雑誌に掲載されて、17歳で作家としての活動をはじめる。24歳で結婚した後もつぎつぎと作品を発表。大人向けの長編『ローリーの娘』でイギリスでも評価されるようになり、『小公子』『小公女』での大成功によって、作家としての地位を確立した
山内玲子[ヤマノウチレイコ]
翻訳家。津田塾大学を卒業後、アメリカに留学。イギリスのケンブリッジに9年間在住。イギリスの木口木版画を扱う“あ・り・す”を運営している
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
レモン
43
今も昔も子育ての大変さは変わらないが、今のようにすぐに子育て情報にアクセスできないことで、コリンは色々とこじらせた少年になったんだろう。ディコンと豊かな自然のおかげでメアリはもちろん、コリンも健全な子どもに戻っていく。園芸はまったくやらないが、だんだんと自分も秘密の花園を作ってみたくなる。自然の中で一日中過ごしたい。そしてやはりこの上なく美味しそうだったじゃがいもシーン。蒸したたまごとじゃがいもにバターと塩のシンプルな味付けでも、よだれが…。ラピュタの目玉焼きパンと同じでシンプルな料理が1番目を惹く。2022/05/19
くみ
21
子供達の世界が中庭ではちきれんばかりに大きくなる。彼らは自然に触れ合い、自己中心の世界から脱皮していく。特長的なのは成長に大人からのリードが全くないこと。マーサのお母さんも暖かく見守るだけで、灯りをともして導くのは同じ子供のディコン。環境や思考、潜在能力が精神に与える影響を強く意識された作品だと思う。それが対等の子供同士で啓発されるというのがバーネットの考えの反映のように感じた。古典なので現代から見るとちょっと、、なところもあるが、それを差し引いても芯の通った力強い物語だと思う。2018/07/24
いさらこ
15
メアリとコリンのぶつかり合いを経てコリンも庭に。「魔法」と呼んでいるけれどまさに病は気から、リハビリも捗る。秘密の花園でのティタイム、ディコンのおっ母さんのパンと牛乳、秘密のかまどで作ったじゃがいもや卵、お腹をすかせて目覚めた朝食、料理人が腕によりをかけて作った食事、などなど、2人が健康になってきてからのごはんの美味しそうなこと美味しそうなこと。そういえば小公女も食べ物美味しそうだったよなぁ。魔法はついにコリンのお父さんにもかかって、幸せなラスト。ディコンは本当に天使かもしれないですね。方言もいい。2014/10/18
おはなし会 芽ぶっく
14
12月予定の4・6年生のブックトーク授業【テーマ 冬休みに読んでみよう】用に選書。福音館書店から出版されているのは読了してますが、今回はこちらを選書。2019/11/04
ぽっか
13
子どもにとって、自分だけの秘密を手にすること、そしてそれを信頼のできる仲間と共有できることのすばらしさと言ったら!秘密の庭は、本人も認める通り、秘密であるだけに価値がある。その価値がわからない大人たちにバレないように、一生懸命演技をするのもきっとものすごくワクワクすることだろうなあ。大好きなお話だけど、強いて言うならヨークシャー弁の翻訳がちょっと不自然。広島弁っぽいけど終助詞が無駄に多いし標準語もちょくちょく混ざるから、違和感を覚えてしまう……訳者ではなくその夫がネイティブらしいから仕方ないんだろうけど…2019/06/08