出版社内容情報
裕福に暮らすチト少年.お父さんが兵器を作る人だったことを知り,驚きます.じぶんが不思議な〈みどりのゆび〉をもっていることに気づいた少年は,町じゅうに花を咲かせます.チトってだれ?
内容説明
裕福に暮らすチト少年は、お父さんが兵器を作る人だったことを知り、驚きました。じぶんが不思議な(みどりのゆび)をもっていることに気づいた少年は、町じゅうに花を咲かせます。チトって、だれだったのでしょう?小学4・5年以上。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Willie the Wildcat
121
無垢な心、故の真理。成長すると共に見えなくなるのではなく、向き合わないだけ。心底に宿る/眠る”心”を呼び覚ますキッカケ。表層的には花だが、深層的には子供たち、「未来」。移ろいやすいヒトの心も随所に現れ、如何に持続性が難しいかを語りかけているのも印象的。但し、ジムナスティクの2つの言葉が、すんなり咀嚼できなかった。「クローバー」と「死」。前者は窒素とか小難しことではなく、単に金欲を示唆と解釈。後者は、元に戻せないモノも世の中にはある、という主旨かと推察するも、一瞬ドキリする表現。2020/03/03
mocha
97
子どもの頃に読んで以来の再読。植物を魔法のように育てる指の印象しかなかったけれど、こんなにもメッセージ性のある物語だったのか。純真な目で見た世界は矛盾に満ちている。主人公チトがきちんと自分の頭で考え、決意を持って行動する姿に、昨今の世界情勢の中で矢面に立つ少女達の強い眼差しが重なる。児童文学にも社会風刺を込めるフランス作品。2021/01/10
rico
93
そっとゆびで触れれば、眠っていた種が芽吹き、育ち、花開く。それは命の輝きそのもの。そんな「みどりのゆび」を持つ小さな男の子チトがその力で世界を変えていきます。犯罪、貧困、病、そして戦争。哀しみと憎しみの涙に押し流された幸せの種が、またしっかり根付いて花開く、小さな美しいお話。文字通りお花畑なんでしょう。人間には無理?だから使命を果たしたチトは去って行った。でも願わずにはいられない。ねえチト、この世界に戻って来て。みどりのゆびで、破壊し殺すための道具を全部花に埋もれさせて。私も何かしたい。どうすればいいの?2026/02/24
chimako
89
いったい何度目読書になるのだろう。はじめて読んだのは小学生のとき。この本が日本で出版されてすぐの頃だと訳者のあとがき読んで知った。今までに読んだ本のなかで1冊選べと言われたらこの『みどりのゆび』を選ぶ。みどりのゆびをもった小さな男の子チトのお話。年を取った今再読するとまるで哲学書の趣がある。生きていく上の矛盾や生きることの喜び、戦争の不毛な思想、我々大人が知らず知らずのうちに身につけた「普通」と言う概念の危うさ。チトやムシュタークおじさん、子馬ジムナスティックの言葉に教わることも多い。挿絵も素晴らしい。2017/10/06
はる
78
触れただけであっという間に花や木が育つ指を持つ不思議な少年の物語。ワクワクする設定で、子供が読んでも十分面白いストーリー。でも大人の視線で読むと、シニカルな社会風刺が胸に刺さります。純粋無垢な少年チトから見れば、この世界は悲しみと矛盾だらけ。彼は自分の能力でこの世界の悲しみを取り除こうとしますが……。めでたしめでたしで終わり…と思いきや、その後の詩的なクライマックスが出色。この結末が、この物語を単なる児童文学から一段上のものに高めています。2023/10/09




