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岩波少年文庫
マリアンヌの夢

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  • サイズ B6判/ページ数 341p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784001140958
  • NDC分類 K933
  • Cコード C8397

出版社内容情報

病気になったマリアンヌは,あるとき自分が描いた絵のとおりに夢の中の世界が動いていることに気づきます.子どもにとっての〈不安〉と〈恐怖〉を描く異色のファンタジー.

内容説明

病気になったマリアンヌは、自分が描いた絵のとおりに夢の中の世界が動いていることに気づきます。そして夢で出会った少年といっしょに、こわい夢を克服していきますが…。「不安」と「恐怖」をテーマに、子どもの心理を描いた異色のファンタジー。小学5・6年以上。

著者等紹介

ストー,キャサリン[ストー,キャサリン][Storr,Catherine]
1913~。ロンドン生まれ。作家・精神分析医。3人の子どもたちのために物語を作り始め、子どもの内なる世界への興味と関心を軸とした、異色の作品を発表する作家として注目されている

猪熊葉子[イノクマヨウコ]
児童文学者・翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェルナーの日記

118
著者ストーは精神科医でもあり、その経験を十分に生かした作品。主人公マリアンヌは、長時間ベットから出ることもできない病気に罹る。学校に行けず自宅学習するため家庭教師を雇う。家庭教師のチェスターフィールドは、病気で学校に行けない子供を専門に教える先生。先生の話からマリアンヌは、自分と同様に学校に行けない少年マークの存在を知る。そして彼女は不思議な夢を見るようになった。作品に登場する一つ目の石の怪物は、ユングの無意識における『元型』と呼ぶもの。マリアンヌとマークが同じ夢を見るは『共時性』を現したものと思われる。2015/05/13

藤月はな(灯れ松明の火)

76
この本の翻訳者でもある猪熊葉子さんの『大人に贈るこども文学』での紹介で興味を持ち、読みました。最初、マリアンヌが好きではなかったです。その原因は、常に癇癪を必死で抑えている私としては、マリアンヌに「狡い」と思ってしまい、同族嫌悪を感じたからだと思います。一方で冷静沈着なマークへの先生の言葉が耳に痛い。恐れからくる言い訳めいた怠け癖は誰しもあるからだろう。しかし、本当に自分の心の闇を見つめて帰ってこれなくなるような、恐ろしい物語でした・・・。特に家を覗く、眼がある岩の絵を見た時は本当に背中が粟立ちました。2016/12/01

はる

61
面白かったです。マリアンヌは病気のためにベッドの上で過ごす日々。ある日、古い裁縫箱の中で見つけた不思議な鉛筆で絵を描くと、夢の中でその絵の世界に入り込めることに気付きます。夢の中で彼女は1人の少年に出会うのですが……。うっかり絵に描いたことが思わぬ事態を引き起こし、二人はピンチに陥ります。そしてそれは、現実世界にも影響を及ぼして……。ハラハラドキドキの緊迫したストーリー。病気のせいでわがままで怒りっぽくなる気持ち、分かるなあ。二人の少年少女の心の成長を感じさせるラストは爽やか。引き込まれました。2023/06/24

Gotoran

54
先に読んだ河合著書『ファンタジーを読む』からの派生作品。病気で6週間はベッドで寝ていなければならない少女マリアンヌが、描くとすべたが現実となる魔法の鉛筆を使って、夢の中で小児麻痺で動けずすっかり希望を失った少年と出会い、喧嘩しながらも次第に心を通わせ最後は力を合わせて共通の敵と闘い脱出に成功する。子供の恐怖や不安、自己の弱さという深層心理が克明に旨く描かれている。またこれらを懸命に克服していく二人の子供の心の成長が鮮やかに描かれている。2019/07/10

たつや

50
順調に岩波少年文庫を読むなかで、途中経過の一冊でしたが、意外とよかったです。世にも奇妙な夢の話、マリアンヌとマークの物語はハッピーエンドに思えるが、精神的には裏があるんでしょうか?時間を置いて読み返したら、違う側面が見そうな気もします。2017/02/02

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