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岩波少年文庫
西風のくれた鍵 (新版)

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  • サイズ B6判/ページ数 182p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784001140798
  • NDC分類 K933
  • Cコード C8397

出版社内容情報

動物たちの言葉がわかる不思議なスカーフを拾った男の子の話,異国の香りを運んでくるスパイス売りのおばあさんの話,西風のくれた鍵で木の秘密を知った少年の話など,自然の息吹にみちた美しい6つの物語.〈改版〉

内容説明

西風がくれた木の実の鍵で幼いジョンが知った木の秘密とは?…表題作のほか、動物たちのことばがわかる妖精のスカーフを拾った少年の話、ピクシーに見そめられて結婚した少女ポリーの話など、幻想的で楽しい六つの物語。小学5・6年以上。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Willie the Wildcat

61
心底に持つ掛け替えの無いモノ。家族、親子、次世代など他者への思い。他者の笑顔が念頭の『鋳かけ屋の宝もの』と『幻のスパイス売り』は、笑顔に溢れる。一方、同じ他者の笑顔でも、『雪むすめ』と『妖精の花嫁ポリー』は、喪失を踏まえた他者への思いと対照的。『ピクシーのスカーフ』と表題作は、他者への感謝とも解釈できるかな。敢えて挙げるなら『鋳かけ屋の宝もの』のストレートさが、最も自分の波長が合いますね。2017/12/18

NAO

51
妖精の息遣いが聞こえるような幻想的なお話6つ。コケモモの実を摘みに来て、ピクシー(小人の妖精)のスカーフを拾った少年がどうしてもスカーフを返してほしいピクシーと取引をする「ピクシーのスカーフ」。年に一度現れるスパイス売りと城の料理番の下働きの女の子との交流を描いた「幻のスパイス売り」。3本の木の特徴を見事にとらえた詩情豊かな「西風がくれた鍵」。「雪むすめ」「妖精の花嫁ポリー」は、妖精界の存在となっても昔の思い出がときに頭をかすめ懐かしくなるという切ない話。「妖精の花嫁ポリー」は「浦島太郎」のようでもある。2025/03/18

シュシュ

29
再読。前に読んだときよりも、ぐっと惹きつけられた。ピクシー(小人)や魔法の世界だが、私が子どもだったら、もしかするとこんなことが起こるかもしれないと思えそうな話だった。森の近くの農場育ちのアトリーだからこそ、こういう物語を作れるのだと思う。隅々まで満足した。特に好きなのは、聞き耳ずきんのような『ピクシーのスカーフ』、『幻のスパイス売り』、『西風のくれた鍵』 2019/02/01

棕櫚木庵

20
『時の娘』に描かれた英国田園風景が良かったので借りてみた.こちらは,妖精などが登場する6篇の fairy tales だった.荒々しい出来事や人物が登場しないわけではないが,全体の印象は穏かで静謐.たとえば,「むかしむかしのローマ人の家とおなじように,花畑があり,ミツバチの巣があり,バラが咲く家で」おもちゃを作りながら暮らす鋳かけ屋(pp.84--85).登場人物たちは幸福な結末を迎えるけど,読者には一抹の寂しさも残る・・・というものが多かった.たとえば「雪むすめ」.限りある命を生きる者の寂しさだろうか.2023/07/04

おおた

17
アリソン・アトリーはどこか悲しい。単純なおとぎ話、子ども向けの物語にはとどまらない、喪失の通奏低音が鳴り続けている。特に時間を失ったことの悲しみが描かれることが多い。「雪むすめ」「妖精の花嫁ポリー」など浦島太郎的に別の場所で過ごした時間と人間の時間が異なるせいで、過去の喜びを永久になくしてしまう物語には、なんとなく夫を亡くした作者の姿を重ね合わせて見てしまう。本書のタイトルだけでも想像力をかきたてられる、すてきな一冊。2016/05/23

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