出版社内容情報
イギリスの古風な家の床下に住む小人の一家.暮らしに必要なものはすべて,こっそり人間から借りていましたが,ある日,小人の少女がその家の男の子に見られてしまいます―.ファンタジーの傑作.
内容説明
イギリスの古風な家の床下に住む小人の一家。暮らしに必要なものはすべて、こっそり人間から借りていましたが、ある日、その家の男の子に姿を見られてしまいます―カーネギー賞を受賞した「小人シリーズ」の第1作。小学5・6年以上。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェルナーの日記
370
本作は宮崎駿監督によりスタジオジブリから2010年に映画化された『借りぐらしのアリエッティ』の原作にあたる。著者ノートンは本作をはじめ”小人の冒険シリーズ”を執筆している。人間の家に仮住まいするアリエッティーの家族たち含めた小人たちは、”人間に見られてはいけない”という鉄則があった。人間に見つかってしまうとその家を出て行かなかればならないのだが、ある日アリエッティーの父ポッドが住人の少年に見られてしまった―― 2017/06/27
kariya
124
指ぬきのお鍋に糸巻きの腰掛け、記念切手の壁紙。初めてこの物語を読んだ子供の頃、住んでいるマンションの床の下には小人がいるのだと、本気で信じた。単なるお話だと気付いたのは随分と経ってから。床下に住むアリエッティと両親は、必要な物を人間から「借りて」いる。姿を見られたり怪我をする危険と隣り合わせの借り暮らしの日々は、療養に来ていた少年との出会いで一変する。身体が小さいこと以外、特別な力は何一つない小人たちの姿はとてもリアルで、だからその存在を信じたくなった。どこかには居てくれてもいいな、と今でも思う。2010/04/22
れみ
113
スタジオジブリの映画「借りぐらしのアリエッティ」の原作。田舎の古い家の床下に住み人間の持ち物を「借り」て暮らす小さな人たち。その姿をある男の子に見られたことから始まるお話。アリエッティたち小さな人の目線から見た人間の家や持ち物の描写が面白い反面、自分とは違う生まれ育ち、違う言語、違う宗教、違う文化、違う価値観…、そういうものとの遭遇によって起こるのが良いことばかりではなかったり、アリエッティや男の子の子どもらしい浅はかさが大人に不信を抱かせるきっかけになったりと、ほろ苦さや厳しさも感じさせられた。2017/05/02
Willie the Wildcat
102
好奇心と閉塞感が、子供たちを突き動かす。心底に抱える「借り暮らし」の苦悩。アリエッティのお陰で男の子もそれに気付き、口にする件は、心痛くもあるがもれなく転機。物理的繋がりではなく、精神的な繋がりが求められる。加えて、住めば都のアナグマの巣。いつものホミリーなのが、論より証拠。一家全員、もれなく”自由”を謳歌している気がする。加えて、大叔母ソフィの「瓶に栓」は、思わずプッと笑う。それにしても、”小さな三日月にして真ん中に点”?!う~ん、頭に浮かばない。そもそも論でAlphabetでは何だったんだろう。2020/04/11
kaizen@名古屋de朝活読書会
88
ジブリ映画「借りぐらしのアリエッティ」の原作です。 映画を見てから読んだので、 筋の違い、役回りの違いは、 ああ、映画はなるほどジブリらしいと思いました。 原作に忠実であることよりも、ジブリらしさを出すことに忠実。 ちょうど、アメリカにおけるディズニーに似ていると思いました。 小説の方は落ち着いていて、 いかにもありそうな、 なさそうな話。 ネズミ駆除など、映画にもそのまま使われている話もあり、とても楽しめました。2010/09/06
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- 和書
- 巷談本牧亭 旺文社文庫