出版社内容情報
バンクス家に3度やってきたメアリー・ポピンズ.そのあいだに子どもたちが体験したふしぎなできごとは,まだまだたくさんありました.公園での6つのお話を収める人気シリーズの4冊目.
内容説明
バンクス家の子どもたちが、メアリー・ポピンズといっしょに公園にあそびにゆくと、いつもふしぎな物語やできごとに出会います。一角獣があらわれて大騒動になる話など、6つの短編が楽しめる「メアリー・ポピンズ」シリーズの4冊目。小学4・5年以上。
著者等紹介
トラヴァース,P.L.[トラヴァース,P.L.][Travas,P.L.]
1906‐96、イギリスの作家。オーストラリアのクイーンズランドで生まれ、子ども時代をその海岸で過ごした。17歳でイギリスへ。バレエや演劇の経験をへて、1934年に出版した『風にのってきたメアリー・ポピンズ』が大好評を博した。1963年に日本を訪れている
林容吉[ハヤシヨウキチ]
長年、早稲田大学で経済学を講じた
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェルナーの日記
288
本シリーズの第4巻。しかし物語の内容は第3巻『とびらをあけるメアリー・ポピンズ』の3度目にバンクス家へ訪れている最中の挿話なので、3巻を読む前に本館を読んだとしてもさして問題はない。2巻でメリーゴーランドに乗って去っていったメアリー。3度目の訪問は打ち上げ花火の星に乗ってやって来る(『とびらをあけるメアリー・ポピンズ』)。そして公園で起きたエピソードを6話の短編によって編まれている。例の如く1話完結なので、何れを読んでも好いのだが、自分的にお勧めのお話は”ハロウィーン”である。彼女の誕生日が判明する物語。2017/02/25
ユメ
45
公園でこんな不思議な出来事に遭遇したことはついぞなかったけれど、代わりにこの本を開くことで、ジェインたちと冒険譚を共有できた。私が本を読むと中にバンクス家の子どもたちがいて、彼らはそこでマザー・グースの童謡に出てくる動物たちと出会う。この同心円、一番外側を私が確かに体験しているのだから、内側だって「ない」とは言い切れぬ。メアリー・ポピンズは決して秘密を語らない。自由に想像力を働かせ得る余白こそが、誰にも否定できないお伽話の可能性だと思う。彼女に面と向かって「あなたは存在しない」なんて言える人いやしまい!2015/02/07
ワッピー
30
4作目はエピソード集でメアリー・ポピンズ(MP)の登場~別れはないが、マイケルとジェインが不思議な体験を口に出せないタブーは健在。家の前にある公園が舞台で、人の妄想を暴く浮浪人「どのガチョウも白鳥」、ライオン騒動「まことの友」、猫の星に行ったマイケル「幸運の木曜日」、ユニコーン騒動「物語のなかの子どもたち」、ジェインの箱庭「公園の中の公園」、影の大舞踏会「ハロウィーン」を収録。姉弟はMPの扱いに慣れてきたし、バンクス氏も穏やかになって何より。もし自分が幼時に読んでいたらどう感じたか、気になるシリーズです。2021/08/19
ちどり
18
メアリーがバンクス家に居た頃の、番外編(つまり前作での別れが本当のお別れだったのです)。シリーズの中でこの作品が一番ファンタジーらしく、ダントツにおもしろかったです(だからといって、いきなりこの本から読んでも今までに登場した人の相関図が掴めないと思うので、根気よく全作読みましょう)。映画の「メリーポピンズ」を観ましたが、原作のメアリーさんより百倍魅力的でびっくりしました。今度は「ウォルトディズニーの約束」も観たいと思います。2015/01/06
ロビン
17
シリーズ4作目、これで文庫版は最後の巻になる。お話自体は公園が舞台の、メアリーがバンクス家を去る前の時間軸のものなのだが、読者にしてみればこれでメアリー・ポピンズシリーズは一応おしまいということで、やはり一抹の寂しさを感じる。しかし、作中でも書かれている通り「覚えている限り、いつだって会える」のである。メアリー・ポピンズとバンクス家を忘れることなどできっこないではないか・・。これからはずっと彼らと心の中で繋がって生きてゆくのである。トラヴァース女史から我々の人生への、この素晴らしい贈り物に感謝したい。 2019/06/23