出版社内容情報
美しいチョウとの出会いを求めて、若き昆虫学者が中国北西部を旅する。圧倒的な画力で描く壮麗な世界。
内容説明
シルクロードへ―若き昆虫学者は、広大な景色のなかで、めずらしい生き物や、伝統的なくらしを守る人びとに出会い、古代へと思いをはせる。もしかすると、あこがれの“チョウの王女さま”にも、めぐり会えるかもしれない…。中国北西部、新疆ウイグル自治区への旅からインスピレーションをうけた気鋭の絵本作家が描きあげる、壮麗な世界。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
199
シルクロードと聞いただけで、伝統、古代、神秘を連想させる。新疆ウイグル地区を旅した筆者が、書きあげた赤の砂丘は見事!長い間、そのページを見入ってしまうほどでした。全てが赤ではないが、様々な風景の画が赤で書きあげた、朝日や夕日を引き立ててくれる。シルクロードでなくてもいいから、どこかに旅にでて、大自然の中、シルクロードの街中で体育座りして、空気を感じて、景色を眺めていたいと思う。絹の作り方などためにもなる絵本でもあった。2022/09/04
KAZOO
139
表紙の赤い色がきれいなのとお気に入りさんの感想で図書館から借りてきました。シルクロードや新疆ウイグル自治区の昆虫などや植物風景などをエッチングのような筆致で描かれて非常に印象に残りました。このような感じの絵を眺めていると喜多郎の音楽が流れてくるような感じがします。現地に行きたくなります。2018/10/08
やま
135
シルクロードのあかい空 2018.06発行。字の大きさは…大。 中国の唐の時代の首都長安(現在の西安)から、ローマ帝国の首都であったコンスタンティノープルまでの広大な地域を、交易を交えながら隊商が行き来した道、それが絹の道(シルクロード)です。この本は、西安から西へ行った新疆ウイグル自治区の様子を、赤を基調に描いた絵本です。 西安から西へは、絹、香辛料など、貴重な品物を運ぶため、昔の人は、この路を歩き続けました。同じくこの路を通って、紙すきや、印刷の技術、宗教、思想も伝えられました。 🌿続く→2021/01/21
MI
98
子どもの頃、「大きくなったら何になりたい?」そう聞かれるたびに私は「チョウの王女さま」と答えた。シルクロードの空とチョウ専門の昆虫学者がおくるチョウやいきものの話。ウイグル自治区を旅して、その生活ぶりやどうぶつたちについて書かれていた。特にカイコの一生は印象深かった。カイコはわずか3日間で1500メートルもの糸を吐き出してまゆを作る。糸から紡がれ布に追われていく。クワの木陰でお茶を楽しんでいた王女様がカイコのまゆから絹ができることを発見したといういい伝えがある。カイコの歴史をしることも楽しい🥰2023/07/29
ままこ
97
赤をメインにアースカラーで描かれる雄大なシルクロードの世界。広大な砂の海。波打つ様な砂丘が広がる。緑と砂丘と青空が連なる風景。白い雲の下一面に広がる綿花畑。ページをめくるたびシルクロードを旅してる気分になる。そこで暮らす民族、歴史、産物、生き物達の絵や解説も興味深く面白い。沈む夕陽に照らされて空と大地が溶け合いあかく輝く風景は圧巻。2018/09/18