出版社内容情報
ある日父さんは,一塊の肉を持って帰った.肉は少年の家では年に一度口に入るかどうかというものだ.ところが白人たちが追ってきて父さんを捕えた.少年と飼い犬のサウンダーは父の帰りを待つが….ニューベリー賞受賞作.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
art_mr
4
小・中以来の再読。耳を拾うなんて怖い…と思っていたが…父が窃盗で連行され、帰宅を待つ日々を送る少年と家族、そして父の犬サウンダー。こんな話はいくらでもあっただろうと思わせるけど、やり切れない…蜃気楼のように父が少しずつ現れ、帰宅するシーンは感動的。2022/03/02
百合花
0
ウィリアム H アームストロングの「大地に歌は消えない」の読後に同作者のこの本を手にした。「大地‥」の黒人モーゼズがこの作品の少年であり後にアームストロング一家の農作業を手伝い、母を失ったウィリアムたち兄弟に勉強を教えたその人であるらしい。ある晩モーゼズから猟犬サウンダーの話を聞いた作者。それが一作目『サウンダー』となり次作『大地に歌は消えない』とつながった。観念的にアメリカ社会の暗部、黒人問題を論じられるより物語の形でその一端を知る方がはるかに助けになると思う。2025/07/12