出版社内容情報
美しさを鼻にかけて妖精たちの怒りを買い,鏡にも水にも自分のすがたを映せなくなったうぬぼれやの娘,地までとどく自慢の髪をすべて失った王妃のふしぎな話など,幻想的な短編集.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
syaori
53
ウィリアム・モリスのアーツ・アンド・クラフツ運動に参加したデザイナーウィリアム・ド・モーガンの妹メアリの作品集。針さしの上に居合わせたショール・ピンとブローチ、留め針が物語を語る『針さしの物語』、足の悪い少年が美しい火の国のお姫様と水の国の王子様の恋のために大晦日の夜に冒険する『炎のかなたに』など、妖精や魔法が優しく煌めく作品が並びます。宝石箱の中の小さな、しかし丁寧に細工された美しい小物を手に取って眺めるような楽しさがありました。兄ウィリアムによる挿絵も物語の可憐で趣味の良い雰囲気にぴったりで大変素敵。2020/01/17
たつや
40
トイ・ストーリーの針版、裁縫箱の中のお話、会話する針達でお話は膨らむ。面白い発想力。自惚れすぎて、鏡や水に姿を写せなくなった娘の話など、戒めや教訓も一杯の8編の短編集でした。夢一杯。2017/03/14
かもめ通信
20
祝 #岩波少年文庫 #創刊70周年 読書会に参加すべく読んでみた。同じ作者の別の作品は大昔に読んだことがあったはずだけれど、こちらは初めて。“クラシックで幻想的な短篇集”というウリではあるが、伝承文学にありがちな残酷さや、おとぎ話によくあるような教訓めいた説教臭さはあまりなく、大方の予想をほんのちょっとずらしたような結末が面白かった。2020/09/09
はる
15
図書館本。縫物をしながら物語をするのかと思いしや、ピンクッションの上でブローチやショールピンや留め金が語る物語。いつでもどこでも面白いお話しはご馳走。時を忘れ憂さを忘れて物語の世界へ。これはきっと文字で読むより語ってもらうほうが楽しいにちがいない。それにしてもつるっぱげ!2016/08/29
メル
12
使われなくなったブローチや留め金が暇つぶしに語る、素敵だけど一風変わったお話。なんにも怖くないのに少しぞっとするような話があったり、今まで読んだことがないようなお話がたくさんあって、楽しかった。なんか、やみつきになるような物語だったな。ヴィクトリア朝ってとこも良い。2017/04/26
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