出版社内容情報
幸運をもたらすという〈海馬〉をめぐる村人たちの反応をユーモラスに描く「海からきた白い馬」,不漁の浜にエビをよびもどす「海の笛吹き」など,海にまつわるふしぎなお話3編.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
41
幸福をもたらす海の馬をめぐる対立を描いた「馬からきた白い馬」 、陸にあがっても、やっぱり海が恋しい船長の秘めた思いがとんでもない現象を引き起こす「緑の海の船長さん」、パイド・パイパーの弟だという笛吹きが引き起こした事件を描いた「海の笛吹き」。どれも、ちょっと暗い影のある、イギリスらしい話。2025/05/18
たつや
35
海にまつわる3つの話を収録。村の人々の描写が面白く、上手い。もう少し有名でも良さそうな本でした。面白かったです。2017/02/17
はる
8
図書館本。海の匂いがしたり、波音が聞こえてくる物語りが三つ。漂ったり打ち上げられたり、どこまでも沈んでいったりしながら読む。「アホーイ!」イギリスの海はいつでもこんなに不思議なんだろうか。挿絵も◎この作家、もっと読みたい。2016/11/19
topo
7
潮風にたてがみをなびかせ浜辺を駆ける幸福の海馬が眼前に浮かぶ。 海の神秘性と子どもの純真な心の描写が、幻想的で美しい文章で綴られていて素晴らしい。 潮の香り、波の響きが頁から漂う、海に纏わる不思議で素敵な物語三編。 収録作は 『海からきた白い馬』 『緑の海の船長さん』 『海の笛吹き』。 ハーメルンの笛吹き男の弟で、寂しがりやの海の笛吹きが登場する『海の笛吹き』が一番好き。 緑の波が家に迫りくる『緑の海の船長』は、荒々しい緑と遠くから響く美しい鐘の音の対比が好き。 素敵な挿絵も豊富でお気に入りの仲間入り。2023/01/22
なもないのばな
3
1986年刊。これも出たころはその幻想性と描写の美しさに惹かれたおはなしでした。今読んでも新鮮。挿絵もよくて、さすがイギリス児童文学の層の厚さを感じた。こういうの読まれない時代なのかな。残っていってほしいけど。2022/10/14