内容説明
少年たちの目のまえにあらわれた、きらびやかな船行列。それは隣国からの使節団、朝鮮通信使でした!江戸時代の淀川を舞台に、興奮と熱狂の一日をのびやかにえがきます。
著者等紹介
小林豊[コバヤシユタカ]
1946年、東京生まれ。日本画家、絵本作家。『せかいいちうつくしいぼくの村』(ポプラ社)で絵本の創作を手がけ、産経児童出版文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Smileえっちゃん
40
今から300年前の江戸時代。唐国の使節団が淀川の港にやってきた。異国の船行列を見ようと見物人で埋まりお祭り騒ぎ。船上から唐国の役人は「我が民を苦しめた憎き秀吉の城ぞ」と憎しみ込めて見ている。何も知らない町人は珍しさに拍手喝采!それを見て歓迎されていると思い良い気分に…船着き場は町の人、異国の人の交流があちこちで始まり、歌ったり踊ったり・・・言葉は通じなくてもいいですね。次の日江戸に向けて出港する。日本と朝鮮は隣同士でありながら、何度も不幸な歴史を繰り返してきた。小林豊さんの絵が丁寧に書かれていて素敵でした2023/07/28
マツユキ
14
今から三百年前、朝鮮通信使が大阪の港につき、淀川を進んていきます。見物人たちが集まってきますが…。日本と挑戦の歴史は色々ありますが、お祭りムードの中、皆が笑い合っていて、いいな。淀川の中流にある小さな村の二人の少年は、踊りに惹かれて、船について歩く。そこからまたドラマが生まれていくんだろうなと明るい気持ちになりました。2023/10/14
今庄和恵@マチカドホケン室コネクトロン
11
川がテーマのシリーズのようで、本書は大阪の淀川が舞台なのだけれど、描かれているのは1711年の韓国からの通信使。日本と韓国は不幸な過去しか知らなかったけど、こんな夢のようなこともあったのか。国の違いなど関係なく人は繋がれるという、理想を信じさせてもらえます。2024/11/12
魚京童!
8
きた、みた、かった。2020/07/04
ヒラP@ehon.gohon
8
小林豊さんの研究力作だと思いました。 江戸時代に朝鮮から大阪経由で江戸を訪れた使節団。 記録と想像力を基に描いたお話だということなので、必ずしも事実とは違うかもしれません。 でも、朝鮮からの使節団が九州ではなく、大阪で上陸したこと、大阪といっても海岸ではなく、淀川を上ってから江戸を目指したことを軸にして、当時の文化、地形を考えながら作り上げた物語に、ロマンを感じます。 地味な作品ではあるけれど、歴史が庶民の生活と隣接しているのだと教えられました。2014/01/13