出版社内容情報
ケイトは母がリンゼイ家の当主と再婚したため,領主館に住むことになった.館には,先妻の娘キャサリンがいた.少女2人はすぐに仲よしになるが,母は美しいキャサリンをねたむようになる.
内容説明
美しさゆえに継母に妬まれ魔法をかけられた少女と、命をかけて彼女を守る義姉ケイトを描く一大ロマン。知恵と勇気で魔女にたちむかう少女たちの愛のドラマ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
榊原 香織
91
民話から小説になり切ってない感じがしますね。 17Cスコットランドとイングランドの戦いの背景説明も複雑すぎて子供には難しいのでは(私も混乱) 同じ作者の”妖精ディックの戦い”の方が格段にこなれてるなあ。 キャサリン、ケイト、と分けて書いてるのも混乱しそうですね子供だと2021/01/26
シュシュ
17
再読。「くるみわりのケイト」というイギリスの昔話をもとにした物語。「くるみわりのケイト」の語りをするので、久しぶりに読んでみた。よくある継母が継子をいじめる話だが、継母の子が継子を助けるという展開で、継母の子ケイトの活躍が健気で気持ちよい。前書きによるとイギリスでは、おてんばな女の子を「ケイト・クラッカーナッツ」とよぶらしい。ケイトは元気で善良で優しい娘だけれど、魔女の女王である母親を持ったことで悲しみを背負っている。最後にケイトが幸せになってよかった。2014/10/22
onion
4
スコットランド史、妖精、魔女、冒険譚etc…、かなり書く力のある作家さんです。2010/06/24
Kazumi Miyake
3
かなり昔、自分がまだ子どもの頃読んだ本。といっても中学の頃だったかも。ふたりのタイプの違う少女が親同士の再婚によって姉妹になり、母に呪いをかけられた義妹を助けるために姉娘が奮闘するお話。自分が気に入ってたので、子どもにも読んで欲しくて買った。でも早すぎたなぁ。『おはなしのろうそく』の中に原話が収録されています。興味のある方は併読をお勧め。
ブラックティー
3
英国の民話「くるみ割りのケイト」を膨らませ、大人でも読み応えのある作品にしています。イングランドとスコットランドの宗教的対立(日本の読者を混乱に陥れる)や、妖しく恐ろしい魔女の集会、醜い姿の土着的妖精たち、王子様と結ばれておしまいとはならない恋の駆け引きなんかも描かれるので、むしろ児童書?と言いたくなる物語ですが最後はハッピーエンドです。作者は英国の民俗学にも非常に明るい方のようで、非常に現実的な背景にファンタジーが絶妙に融合した筆致で魅力的な世界を作り上げています。(再読)2013/07/21