出版社内容情報
およそ3000年の昔,ギリシア軍とトロイア軍の激烈な戦闘のなかに織りこまれた,愛と誇りと復讐の物語.ホメーロスの有名な叙事詩を少年少女のために格調高い散文で再話し,端正なさし絵をつけた.
内容説明
「イリーアス」とは「イーリオス(トロイアの別名)の歌」という意味で、一万五千六百九十三行、二十四巻から成り、ギリシア軍がトロイア城を包囲攻撃した十年間の最後の五十日間を主題とする長篇叙事詩です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
かもめ通信
13
          
            イギリスの児童文学作家バーバラ・レオニピカードによる『イーリアス』の再話をおよそ半世紀ぶり(!)に再読。この再話の一番のウリはなんといっても、『イーリアス』以前のあれこれを語るプロローグ。2023/02/13
          
        がんぞ
6
          
            世界最古の15693行の叙事詩。古代ギリシャ人の計算に拠ると紀元前12世紀のトロイ戦争の最後の50日間。ホメーロスには「盲目」の意味があり、吟唱詩人に口承で伝えられ文字化されたのは紀元前六世紀頃。詩文では卓抜で大胆な比喩が連発するが、この再話では戦闘描写が中心で個性豊かな戦士たちが凄まじい争いを繰り広げる。中心はアキレウスの怒り、総帥アガメムノーンに辱められたことで立腹し戦線を離脱。ゼウスは女神テティスの懇願で「ギリシャ軍はアキレウスが不在のうちは勝てない」定めとした╱戦争に正義などない、勝敗は神意のみ…2018/10/22
          
        崎
1
          
            古代から、戦争て残酷だな…。描写が神話が元の児童書というのが信じられないくらい残酷。2022/11/08
          
        baアタマ
1
          
            1960/英。ルネっサーンスー(ちょい古)もルネサンスの人間復興の気持ちがよく解ります。現代だって「いつも前向きに」とか「感謝しろ」とかネガティブは全部NGみたいな感じ。古代ギリシアの人達(神々)も怒ったり悲しんだり嫉妬したり喜んだり盛大にやってます。主人公のアキレウスなんてやたら強くて美しいけど短気だし短所も一杯。読んでいると社会規範から解放されて人間やっぱこうじゃなきゃと思えてくる。読み物として面白いし、見返しに地図や巻末に家系図、人名地名の解説があり親切。訳:高杉一郎さん2013/11/20
          
        のんちゃん’
0
          
            ★★☆藤子先生の『TPぼん』を読んでたらホメロスに興味をひかれたので、とりあえずイーリアスから読んでみた。まず戦い、それから戦い、そして戦う物語。しかも神々が絡むからややこしい。トロイア側もギリシア側も長い戦争にうんざりしてて、もはや何のための戦争なのかわけわからなくなったりして、まじめな場面なのに笑えた。そんな意味で楽しめた作品。2012/10/16
          
        

              

