出版社内容情報
ある朝,ナバホ・インディアンの土地シェイ渓谷に白人がやってきて,立ち退きを命じた.ナバホ族は放浪を重ねるが,少女〈アカルイアサ〉は,故郷へもどって自由に生きようとする意志を最後まで捨てない.
感想・レビュー
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ムーミン2号
8
1864年に敢行されたナバホ族の「大行進」に基づいて〈アカルイアサ〉という少女(から女性に成長するが)を主人公にした芯の強い物語である。芯の強い、とは彼女の生き方。白人にさらわれて奴隷となり、逃亡して故郷に戻ればまた白人たちに故郷の地を追われる。長い行進の中でも、生き難い土地での生活でも、涙を見せることなく「いつかは故郷に戻る」を内に誓い、工夫を重ねる智恵と思いをかなえようとする実行力の双方を持ち、発揮して最後には夫と息子とともに故郷の地に戻るまでが描かれる。その姿は実に崇高に映る。2017/12/03