出版社内容情報
ある朝,ナバホ・インディアンの土地シェイ渓谷に白人がやってきて,立ち退きを命じた.ナバホ族は放浪を重ねるが,少女〈アカルイアサ〉は,故郷へもどって自由に生きようとする意志を最後まで捨てない.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ムーミン2号
10
1864年に敢行されたナバホ族の「大行進」に基づいて〈アカルイアサ〉という少女(から女性に成長するが)を主人公にした芯の強い物語である。芯の強い、とは彼女の生き方。白人にさらわれて奴隷となり、逃亡して故郷に戻ればまた白人たちに故郷の地を追われる。長い行進の中でも、生き難い土地での生活でも、涙を見せることなく「いつかは故郷に戻る」を内に誓い、工夫を重ねる智恵と思いをかなえようとする実行力の双方を持ち、発揮して最後には夫と息子とともに故郷の地に戻るまでが描かれる。その姿は実に崇高に映る。2017/12/03
ぱに
4
ネイティブ・アメリカンの少女《アカルイアサ》の物語。白人に囚われ奴隷にされながらも逃げ帰り、その後ナバホの大行進と呼ばれる行軍を生き抜き、必ず故郷に帰るという決意を貫く彼女の生き方に胸を打たれる。攫われ、家を焼かれ、見知った人たちが亡くなっていく様子は痛ましいというよりほかない。ネイティブ・アメリカンについての本は「花殺し月の殺人」位しか読んだことがないけど、語り継がれるべき歴史だと感じる。ネイティブ・アメリカンの生活についての描写も興味深かった2024/09/11
HISA
2
☆☆☆☆ネイティブ・アメリカンの精神や暮らしが垣間見えて、この著者の本は大好き。内容は悲しくてやりきれなかった。同じ人間なのに、奴隷にしたり追いやったり。でもラストは囲われた生活から抜け出して誇りを持った生き方を選ぶ主人公に拍手。女は強し。母は強し。2024/08/04
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