内容説明
バルバドス島生まれの少女キットは独立直前のニューイングランドに渡るが土地柄になじめない日々を送る。そんなある日、からすが池のあやしい女、魔女のハンナ・タバー出会い心の安らぎを得るが、ふたりは魔女の嫌疑をかけられてしまう。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
帽子を編みます
41
表紙で損をしています。おどおどろしい魔女集会の話みたいな外観ですが、違います。一人の少女の成長物語、ロマンス小説でもあります。クレオールの少女が厳格なピューリタンの家庭に押しかけて居候。思いつきで行動するヒロインが周りとの軋轢を起こします。こういう話だと登場人物の行動にイライラしたりしますが、さっぱりした気質の主人公が、自分の行動を素直に反省し、それでもやりたいことはやるという姿勢で応援したくなります。周りの人も厳格で堅苦しいですが、誠実で芯のある人たちです。ハッピーエンドなのも良かった。オススメします。2020/11/02
たまきら
35
素晴らしい一冊。「貸出禁止の本をすくえ!」で、貸し出しが禁止された本のタイトルの中にこの本があり、興味を持ったのがきっかけで読みました。美しいバルバドス島で自由に暮らしてきた少女が、孤児となりおばを頼ってコネチカットに旅してきます。宗教にがんじがらめの息詰まる暗い家。厳しい生活。どうしてもなじめない彼女の孤独を救ったのは、集落の鼻つまみ者である「魔女」で…。確かにアメリカの醜い歴史には目をそむけたくなりますが、同時に人間の強さ、美しさも生き生きと表現されています。十代のころ読みたかったなあ。2020/11/10
長くつしたのピッピ
22
恥ずかしながら、ピューリタンとアメリカ開拓史がよくわからなかった為、主人公とその親戚の宗教的軋轢があまり理解できなかった。植民地育ちのキットの先入観なしの勇気や正義感がまぶしく、宗教的古い価値観に支配されている周りの無理解が痛々しかった。キットもナットも互いを意識しながらもそれに気づかないもどかしさにYA小説の輝きを感じた。両親も祖父も亡くした孤独なキットを慰めてくれた異教徒のハンナの存在は大きい。大切な人を守りたいと一途に思うキットの純粋な気持ちに心を打たれた。2020/12/21
カラスノエンドウ
20
この本は、書庫からお宝を発見したような気分。 17世紀後半ニュー・イングランドが舞台。よそ者を訝しく思う村人たち。不穏な気配に巻き込まれるように物語の世界へ。違う価値観の中で正しい行いをすることは難しいけれど、過ちを重ねつつ少女から女性へとしなやかに成長するキットの姿が眩しかった。良書!【All Hallow's Eve Fantasy 読書会'20】2020/10/03
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
13
【子どもの本ブックトーク】おすすめリスト 表紙の印象とは違う内容の本、嬉しい裏切りです。17世紀半ば、アメリカのコネティカット州にある町を舞台にした魔女狩りのおはなしなのですが、それ以上にロマンスを感じる本です。2012/04/11
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