内容説明
「猫だって笑はないとは限らない」笑い溢れる38歳のデビュー作!
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐうぐう
39
日本人に生まれ、文学を好む者として、いつか夏目漱石ときちんと全集でもって向き合いたいと思っていた。没後百年を機に、昨年末から最終決定版として岩波書店から刊行がスタートした『定本 漱石全集』。このタイミングを逃してなるものか。配本第一回は『吾輩は猫である』。冒頭の一文があまりに有名すぎて、読んだつもりになっていたが、恥ずかしながら全文を読むのはこれが初めて。読んでみて驚いた。こんなにおもしろいとは! 月報で町田康も言っているように、おもしろすぎてどこから手を付けていいかわからないほどだ。(つづく)2017/01/31
もだんたいむす
5
作品の着眼点は面白いが、全体的にはまとまりのない話になっているのが残念。ちょっと詰め込みすぎ。2018/01/07
白いカラス
2
何十年かぶりの再読。「吾輩は猫である……名前はまだ無い。」有名な一文と最後に吾輩が溺れ死ぬ事は、記憶にあるのですが後は、はっきりとせず。せっかく日本人に生まれたので時間を要すると思いますが、明治の文豪と言われる夏目漱石全集に挑戦してみます。吾輩は猫であるは猫の視点から見た人間をユーモアたっぷりに描いていますが、明治の世も今の世も人間の生き様はあまり変わっていないものだと思いますね。2024/01/30
鯉二郎
2
漱石の小説はこれまで岩波文庫と新潮文庫で読んできた。漱石全集は図書館にあるのを借りたことはあったが、買いそろえたことはない。漱石没後百年に際し定本漱石全集の刊行がはじまり、今回は買って読む気になった。ちょうど朝日新聞で吾輩は猫であるが連載中だったので、紙面と全集を比較しながら読んでみた。語句や送り仮名など、同じ箇所が両者でこれほど違うものかと少々驚いた。2017/03/28
ころこ
1
【「あら猫が御雑煮を食べて踊りを踊って居る」と大きな声をする。此声を第一に聞きつけたのが御三である。羽根も羽子板も打ち遣って勝手から「あらまあ」と飛込んで来る。細君は縮緬の紋付で「いやな猫ねえ」と仰せられる。主人さへ書斎から出て来て「此馬鹿野郎」といった。面白い〱と云ふのは子供許りである。】この場面は、吾輩をみる家族の言動を映して吾輩が語るという構造をしています。躍動感は間主観的な猫によるのか、それとも、この猫を書きあらわすことになる人間にあるのでしょうか。2016/12/26