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トーテムとタブー
論稿(一九一二‐一三年)(転移の力動論にむけて;神経症の発症類型について;性愛生活が誰からも貶められることについて;精神分析治療に際して医師が注意すべきことども;自慰についての討論のための緒言・閉会の辞;精神分析における無意識概念についての若干の見解;幼年期の夢の実例求む―編集者より;「未開人の心の生活と神経症者の心の生活における若干の一致点について」への導入の文章;アーネスト・ジョーンズ「ローズベルトを精神分析する」への付記;小箱選びのモティ-フ)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
てれまこし
12
宗教の起源という自分の専門外にある難題に挑んだフロイトの勇み足ということで、今日では精神分析でも宗教学や人類学でも読まれることはない。だがフロイトの人間観、文明観を知るには有益な議論が多く含まれる。ルネ・ジラールの『暴力と聖なるもの』の議論も本書とほとんど同じ材料を用いてる。ギリシャ悲劇などの文学、民族誌、神話、そして精神分析と、分野を縦横無尽に渉猟し、つながりそうもないものをアナロジーによって繋いでしまう構想力。専門化・細分化しすぎて見えにくくなった人間学としての学問の方法論についても深く考えさせられる2020/09/27
有沢翔治@文芸同人誌配布中
2
フロイト先生はユングにデレたようです。2013/06/30
Z
1
現代から過去をみて、過去から現代をみるという視点の運動がある。タブーと強迫神経症の類似から論を始め、思考の発生過程に迫っている。前提は一次過程と二次過程の分離で、二次過程(現実原則)がいかようにもたらされるのかというのを言語の成立に見ている。「つまり語表象の有する感覚残さを内的な諸過程と結合することによって初めてこの内的な思考過程が徐々に知覚可能になった」と。ただトーテミズムを父親の代替とするのには疑問。唯一神あるいは貨幣の存在以前の社会であり、あくまで環境との関係から、神話が立ち現れる様をたどる書求む2015/02/01
鏡裕之
0
門外漢の戯れ言にしか聞こえない。本人は大まじめだが、トーテムを分析したというよりも、自分の精神分析の理論を主張する素材としてトーテムを利用したようにしか見えない。結局フロイトという男は,「父親」「ペニス」「うんこ」「マスターベーション」に取り憑かれて、その痕跡を探し回っただけのようにしか思えない。その体たらくだからユングが離脱したのだ、と言いたくなる。正直、一読に値しないレベルの議論。2015/12/21