フロイト全集〈3〉1895‐99年―心理学草案・遮蔽想起

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  • サイズ A5判/ページ数 480p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784000926638
  • NDC分類 146.1
  • Cコード C3311

目次

心理学草案
論稿(一八九五‐九九年)(「不安神経症」に対する批判について;三部講演「ヒステリーについて」の二つの報告;講演「強迫表象と恐怖症の機制」についての報告;P・J・メービウス著『偏頭痛』についての論評;A・ヘーガル著『性欲動―社会医学的研究』についての論評;神経症の遺伝と病因;防衛‐神経精神症再論;ヒステリーの病因論のために;私講師ジークムント・フロイトの学問的業績一覧;神経症の病因論における性 ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

またの名

10
「君がこの訳の判らない話を理解できるか判りません」と友人に書き送ってるけど、本当に意味不明な草稿。神経ニューロン間を行き来するエネルギー量の放出や逆流や分岐や拘束を通じて起きる、判断、思考、幻覚、快・不快といった心的現象を独自過ぎるボキャで解明しようと試みながら、既に事後性の問題へ関心が移っていく。欲望の原初的蠢動から成る一次過程に対してそれを二次過程が抑制するが、性においては後から遡って以前の記憶に関する一次過程が構成されると記述。フロイトの主張によれば、性的なトラウマ体験だけでは発病の原因にならない。2018/12/15

Z

6
心は内部エネルギーを一定の水準に保っており、不快はエネルギーの高まりとして、快はその放出として感じられるという、後年、訂正した恒常モデルに基づいた人間心理の説明、並びにそこからヒステリーの心的規制を説明する。訂正されたのであるが、このモデルもそれなりの利点はある。後年訂正した理由はマゾヒズムのように放出せずにエネルギーの高まり自体が快に感じられるという例に注目したからであるが、性器中心に身体が組織されていない原初的な段階であればこの本でのフロイトのモデルにも妥当性が感じられ、性器中心に身体が組織される過程2022/12/29

PukaPuka

1
いよいよ、フロイト嫌い、分析嫌いの人たちの共通の理由、神経症の病因として幼少期の性的体験、が出てきて、繰り返し強調される。それに限らず、性生活の問題、禁欲あるいは過剰が、神経衰弱、不安神経症、ヒステリー、強迫神経症の病因の主要部分を占めるとする。ま、でも、確かに、本書を読んで、性的エネルギーという厄介な代物の御し方の違いが性格の違いと言えるか、と考えた。分析嫌いの人たちがフロイトを汎性欲論と批判するのは雑過ぎるが、フロイトの論もまだ本書の段階では雑な感じなので、4巻以降に期待する。2016/03/08

Masakazu Shimamura

0
心のメカニズムをニューロンなどの動き用い、科学的な説明を試みる『心理学草案』。フロイト自身も頓挫したその試みは100年後の神経心理学の動きを先取りしたかのようでもあるが、私には歯が立たない。10年後、20年後、改めて挑みたい。 一方、『遮蔽想起』はフロイト自身の夢を通して、若き頃のフロイトに出会うことが出来る。想いを寄せる人との結婚、経済的な不安との間で揺れ動くフロイトの心情。春の小川のうららかなひと時をパステルカラーで描いたような優しく淡いタッチの論文にもう一人の情緒豊かなフロイトを目撃する。2018/07/05

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