出版社内容情報
本書の「序」において西田は,「紆余曲折を極めた私の考は,此書に於て粗笨ながら一先づその終に達したかと思ふ」と述べる.西田哲学の発展と深化の過程を如実に伝える作品.「絶対無」の概念をもとに,哲学の根本を問う.
内容説明
日本の強靭なる思索の絶巓「西田幾多郎」。それは、時代と国境を超え、真理に憧れる者にとっての恋闕の泉でもある。21世紀を迎えた今、再び清泉は滾滾と湧出し、新たな奔流となって、現代の哲学の問いの只中で渇き求める者をとらえる。膨大な新資料を収録、綿密な本文校訂と新たな校異による決定版テクスト。現在の西田研究を先導する編者による初の注解と総索引を付した。
目次
表現的自己の自己限定
場所の自己限定としての意識作用
私の絶対無の自覚的限定といふもの
永遠の今の自己限定
時間的なるもの及び非時間的なるもの
自愛と他愛及び弁証法
自由意志
私と汝
生の哲学について