竹書房文庫<br> オルガスマシン

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竹書房文庫
オルガスマシン

  • ISBN:9784801924291

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内容説明

わたしたちは、男のために造られた。

カスタムメイド・ガールたちは、コンクリートの島で造られる。
男たちの妄想と欲望が具現化された姿で。
箱に入れられ、ご主人のもとへと出荷されたカスタムメイド・ガールたちを待ち受けるのは、男による男のための世界の男たち……。
巨大な青い眼を持つジェイド。彼女は人肌を着てセックスさせられ、股間に伊勢海老を装着した醜悪な老人に迫られる。
六つの乳房があり、顎に乳首が付いているハナ。彼女が届けられた先は、ファック・イージー・バー。ウェイトレスとして働きつつ、コイン一枚でファックされる。
猫のような耳と毛皮を持つマリ。彼女のご主人は動物調教師。檻に入れられキャットフードを与えられ、鞭で獣として調教される。
乳房が引き出しになっている重役用娘のキャシィ。ボスの煙草入れとして、パーティで愛想を振りまきながら、乳房に詰められた葉巻を提供する。
人間(HUMAN)すなわち男(MAN)である世界で、苛烈な運命に翻弄され、心を失い、絶望の果てにカスタムメイド・ガールたちは手を握った。

いま、破壊する。


「ワトスンが活き活きと描写しているのは遠い未来であり、そこでは人間はある性的な仕様書に合わせて育てられている。(中略)われわれ読者は無垢を頽廃と戦わせる文学の偉大な伝統の一つへと接続されてゆく。闇の中を手探りで進んでゆくジェイドは、ポーリーヌ・レアジュの『O嬢の物語』で無名の愛具がたどる道をふたたびたどっているようでもある。そしてそのキャラクターを置く舞台を生出すにあたって、ワトスンはシュールレアリズムの家具を借り、カフカに比べても異常で信じられないものと私には感じられる未来の映像を作りだしている」
――ウィル・セルフ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

わたなべよしお

23
 期待していたが、僕には合わなかった。「SF史上もっとも危険」?そうかなぁ。なにせ50年前だものね。当時は過激だったのだろうか?ややグロい性的な描写はあるけど、胸が六つとか、胸が葉巻入れとライターになっているとか、誰がそんなカスタムガールを欲しがる?申し訳ないが、出来の悪いドタバタ劇が続いているようで、リアリティがなかった。どうせ、性的搾取の対象としての女性の解放を描くのなら、もう少し読めるものにしてほしかった。2020/11/27

かふ

17
サイバーパンクポルノという体裁を取りながら形而上学的な世界をも描いてイギリスでは発禁になったSFだがアウトウッド『侍女の物語』が産む機械としての女性を描いたのなら、こちらセックスマシーン(オルガスマシン)としての女性を描いたとも言える。欲望のガジェットは男によって閉じ込めらてた性的奴隷として、ある者は乳首がライターでおっぱいがタバコケース(高級車の発想だ)のペントハウス仕様だったり、労働者階級には上半身がスロットマシーン(ワトソンが日本に住んでいてこともあり、セックスの快楽とスロットマシーンの快楽合体)。2021/03/21

ささやか@ケチャップマン

5
十年以上前に中古でハードカバー版を買ってずっと積んでおり、書店で文庫版を発見してつい購入してから何年も経ってようやく読了せり、という塩梅なのでようやく読み終えることができてホッとしている。男性に支配され、女性は搾取される客体として扱われたディストピア的社会において、男性の欲望を満たすために製造されたカスタム・ガールの叛乱を書いたSFであり、凄い面白いって訳ではないのだが読んで損はなかったという感覚。ときどき作中で日本要素出てくるなと思ったら作者が日本で生活したことがあり、本作の着想を得たとのことで納得。2025/06/10

KUMYAM@ミステリーとSF推し

5
大森望さんが「フェミニズムの極北」だなんて言うから期待したのだが。筒井康隆風のドタバタ感がダラダラ続いて締まりがないというか。これで男の願望だか欲望だかがよく書かれてるというなら、男たちはもっと怒っていいんじゃなかろうか。こんなもんなのか。○○なの?2021/06/09

ヒサ子。

5
男の欲望のために、徹底的に貶められている女たちの解放までの悪趣味なカリカチュアってことでたぶんあっていると思う。男の変態的な性癖にあわせてカスタマイズされる女たちが、なんともグロテスク。だんだん女に欲望を反映させている男たちがグロテスクになってきて、さらには滑稽になっていくのがなんとも悪趣味でよかった。2020/12/13

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