鈴木大拙全集〈第９巻〉 （増補新版）

鈴木 大拙【著】

岩波書店（2000/07発売）

• サイズ A5判／ページ数 425p／高さ 22cm
• 商品コード 9784000922791
• NDC分類 188.8
• Cコード C0315

出版社内容情報

禅および東洋思想を世界に伝播した不世出の仏教学者にして，稀に見る実地躬行の宗教者鈴木大拙．その人と思想は，現代人に甚深なる影響を与え，歴史を動かした．31年ぶりの新版全集刊行．論文，講演，書簡等の厖大な新資料を増補，集中15巻を新編成とし，新字体を採用．新たに索引を付した．

目次

霊性的日本の建設
国家と宗教（昭和二十二年三月）
国家と宗教（昭和二十三年九月）
自主的に考へる
青年に与ふ
戦争‐人間生存‐仏教

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[里のフクロウ]

長い閉塞感の中、大震災が真剣に国の再建を考えないと思わさせている。終戦前年に「日本らしさ」の根源について論じたのが「日本的霊性的自覚」であり、終戦直後に出版され、国再建の指標たらんとしたものである。国（民族）には、それをそれらしくさせている「霊性」がある。知性の更に奥にあり、説明不可能なものである。それは「自覚」することにのみ発揚される、というところまで理解できたが、その霊性が発揚した「らしさ」はいかなるものか、ということに更なる課題を突きつけられた。第2編の講話録を最初に紐解いた方が理解しやすいと思う。

2014/04/12