出版社内容情報
「科学者の随筆家」として親しまれ，夏目漱石にも称賛された文才と科学者の視線を兼ね備えた独自の文章で，多くの読者に支持されている寺田寅彦．旧全集を全面的に見直し，随筆をテーマ別に再編集して各巻に解説を付し，さらにローマ字を和文表記にし，新字体新かな表記を採用するなど，より親しみやすい新全集を刊行します．
目次
初冬の日記から
猫の穴掘り
雑記帳より
変った話
科学に志す人へ
庭の追憶
ピタゴラスと豆
喫煙四十年
ゴルフ随行記
破片
夢判断
新年雑俎
相撲
鴉と唱歌
物売りの声
自由画稿
随筆難
Ｂ教授の死
三斜晶系
先生への通信
旅日記から（明治四十二年）
写生紀行
札幌まで
軽井沢
浅間山麓より
沓掛より
伊香保
箱根熱海バス紀行
高原
雨の上高地
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kaorie
3
本の読み方として正しいのかどうかはともかく、寺田さんの随筆を読みながらうとうとするほど心地のいいことは、今の私にとって他にないように思う。中々読み進められないけど、ゆっくりゆっくり読むのが心地いい。次から次へと読んでいくのはもったいなくていけない。「科学に志す人へ」の最後の文を読んで、ちょっと真面目に科学を勉強し直してみようかなと思ってしまった。2013/07/18
いちはじめ
0
よくもまあ観察しているな、と思わせることしばしば。科学的思考に裏打ちされた感受性がこの人ならではの味わいの根源かと思う2010/02/10
