出版社内容情報
格調高い雄篇4つを収録.自由への賛歌である「縛られたプロメーテウス」の反抗,歴史に取材した雄渾壮大な「ペルサイ」,様式美の極致である「テーバイを攻める7人の将軍」,嘆願劇の全貌を示す「ヒケティデス」.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
276
『ペルサイ』のみの感想。登場人物はいたって少なく、クセルクセース(ペルシア王)、アトッサ(王の母)、(先王)ダーレイオスの亡霊、敗戦を報告する使者、およびコロスである。劇の場はペリシアの都スーサ、ダーレイオスの墓前。史実の上からはサラミスの海戦がこれにあたり、アイスキュロスはかなり忠実にこれを踏まえているようだ。ギリシア側からすれば、勝ち戦どころか大勝利であったのだが、これを敗者のペルシアの側から描いたところが秀逸。全体のトーンは沈鬱であり、挽歌の憂いが劇全体を支配する。また、劇の詞章も勇壮であり、かつ⇒2025/08/07
ヴェネツィア
255
『ヒケティデス』のみの感想。この劇の構成上の特質は、コロスの部分が最も長いことである。主人公は、エジプトからアルゴスに逃れてきた一族の長のダナオスだが、実質的に主題を背負うのは、むしろこれを受け入れるアルゴス王ペラスゴスであろう。「嘆願」が劇の全体を貫流するモチーフであるが、ダナオスの側はひたすらに嘆願するしかない。これを受けたペラスゴスは、嘆願を退ければゼウス・ヒケシオスの怒りを招くし、かといって受け入れれば、すぐさまにアイギュプトスらエジプトから追ってきた軍団との戦闘を余儀なくされるだろう。⇒2025/08/11
fseigojp
21
いわゆるオイディプスからアンティゴネ―をつなぐ『テーベ攻めの7将』 このあとエウリピデスの嘆願する女たちにも連関2017/04/28
風に吹かれて
19
本書にはアイスキュロス(紀元前525ー456)の悲劇がおさめられている。メアリー・ウルストンクラフト・ゴドウィン・シェリー(1797-1851)の『アインシュタイン、あるいは現代のプロメテウス』からメアリーの夫のパーシー・ビッシュ・シェリー(1792-1822)の『鎖を解かれたプロメテウス』にいこうと思っていたらアイスキュロスを読んでおくべきという知見に接し本書を読んだ。『縛られたプロメーテウス』。プロメーテウスは人間に「思慮を授け、知を持たせ」た。人間に与えるためにゼウスから火を盗んだりもした。 →2022/12/27
はる
6
2作目ペルサイを読む。479年プラタイア戦に破れ6年後大ディオニス祭で上演されたとされた作品。数に物言わせギリシア侵略を謀ったクセルクセスの敗走を知る王母アトッサと亡霊ダレイオスの嘆きが人の親の苦しみと狼狽の言葉で語られる。2600キロを7日で伝令する力を持つ国母にアテナイとは何処?その軍勢はペルシアを凌ぐのか?と問わせる。既にギリシア全土に覇権を及ぼすに至るアテナイ市民は、敗北した異民族の味わう不幸を劇の中で追体験したのだろうか。アイスキュロスもこれらペルシア戦争の幾つかの戦場を経験したという。2025/07/18
-
- 電子書籍
- 妄想のセフレ【タテヨミ】(6) Bla…
-
- 電子書籍
- 虐げられし令嬢は、世界樹の主になりまし…
-
- 電子書籍
- 半年だけ花嫁 ハーレクイン
-
- 電子書籍
- Love Jossie アリババ~大盗…
-
- 電子書籍
- インコ語会話帖 - インコの言葉をシン…