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ギリシア悲劇全集 〈1〉

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  • サイズ A5判/ページ数 335p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784000916011
  • NDC分類 991
  • Cコード C0398

出版社内容情報

最もギリシア悲劇らしい悲劇といわれる唯一残存の“オレステイア三部作”を一括収録.「アガメムノーン」では妻の夫殺しを,「コエーポロイ」では子の母殺しを,「エウメニデス」ではオレステースの許しを物語る.

内容説明

余りに現代的な、余りに人間的なギリシア古典文芸の精華に新たな息吹を与えることを願い、全篇を新訳、適正な脚注と充実した解説を付し、数多の「断片」をも集成して刊行する決定版。本全集は、3大悲劇詩人の現存する33作品の全訳である。あわせて、3大悲劇詩人およびその他の作家の失なわれた悲劇の断片のうち重要なものを収める。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

287
『コエーポロイ』は、「オレスティア」3部作の2番目。前作『アガメムノーン』において、アガメムノーン王が謀殺された。それを受けて、王位復権を期す息オレステースの敵討ち物語が主軸を成す。語りは主にオレステース、姉のエレクトラ、そしてアガメムノーンの墓前で供養するコロスの三者でなされ、劇が進行してゆく。『アガメムノーン』でもそうであったが、彼らの語りは、通常の会話のテンポや文体ではなく、叙事詩を朗唱するようなスタイルである。そして、三者三様の叙事詩が交錯するところに劇が生まれてくるという構造である。⇒2025/07/27

ヴェネツィア

235
感想は『エウメニデス』のみ。「オレステイア」3部作の3作目。オレステースは、実母のクリュタイメーストラーを殺害した罪に問われ、法廷で裁かれることになる。裁くのはアレイオス・パゴスの陪審員たち。弁護側はアポローン、告発するのは復讐の女神エリーニュエスである。本作は裁判劇の様相を示しているのだが、その実は土着の古い神であるエリーニュエスと、新興の神々、すなわちアポローン神やアテーナー女神との対立である。ゼウスを頂点とした神々の体系に強い疎外感を持った、古い神―それは地霊でもあるのだが―の異議申し立てと、⇒2025/07/31

syaori

42
オレステイア三部作は、復讐が復讐を呼ぶアトレウス家の悲劇。娘を殺した夫を妻が殺し、その息子が父を殺した母を殺す。それは復讐が成就した瞬間から復讐者は復讐を受ける者になるということで、悪夢に怯えるクリュタイメーストラーや復讐の女神たちを恐れるオレステースの様子からは血で血を洗う復讐の空しさばかりが募ります。オレステースの罪と罰に注目していると新旧の神々の争いに主眼が移る最後は少し肩透かしのように感じるのですが、それは恐らく仕方のないこと。復讐の女神を恵み深い女神に変えることはいつだって難しいのだから。2018/02/14

fseigojp

26
新潮文庫には、ソホクレスのオイディプス、アンティゴネ―だけ収載されている しかしアイスキュロスの代表作オレステア三部作も古拙な魅力にあふれている ソホクレスもテーバイ三部作をよもうと思った 意外なことにエウリピデスは、むしろ現代性が一番つよいようだ 2017/04/12

34

23
深作欣二と北野武の暴力映画の遠い起源。『バトル・ロワイヤル』のキャッチコピー「ねえ、友達殺したことある?」が面目をなくす「ねえ、家族殺したことある?」な悲劇。娘を殺したことのある父を殺したことのある母を殺したことのある子供たち。血で血を洗う抗争劇の基となった祖父のふるまいはあまりに人間離れした酷さである(むべなるかな)。全員が悪人なわけでも仁義がないわけでもないのにラスト付近では「みんな死ねばいいのに」な気分が不可避なので、現代の演出家なら子供たちは生き延びることができず華麗に散っているだろうと想像する。2018/12/17

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