出版社内容情報
足尾鉱毒事件を通じて強大な明治国家権力と対峙するに至ったこの異色の大思想家の言説を7巻に集約.20巻全集の成果に依拠し,〈破壊された谷中村の復活=日本国の復活〉の構想に至る生涯の思索の跡をたどる.
内容説明
川俣事件は鉱毒反対運動に深刻な打撃を与えた。責任を痛感した正造は1901年、抗議の意を込めて議員を辞職し、世論喚起に運動の活路を見出そうとする。そして最後の賭けとしてとった非常手段が“直訴”であった。世間を驚倒させたこの行動は結局、狂気の沙汰として処理されてしまう。しかし、正造の死を賭した思いは、石川啄木や黒沢酉蔵など、とりわけ世の多くの青年達に深い影響を及ぼし、反対運動は新たな局面へ展開をとげてゆく。
目次
第1章 「馬鹿政府」と「被害地の馬鹿」
第2章 議員辞職と直訴
第3章 人力は「天然ニ勝ツ能ハザルノ理」
第4章 「神」・「人道」・社会主義
第5章 「軍国」と「鉱毒」
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