出版社内容情報
足尾鉱毒事件を通じて強大な明治国家権力と対峙するに至ったこの異色の大思想家の言説を7巻に集約.20巻全集の成果に依拠し,〈破壊された谷中村の復活=日本国の復活〉の構想に至る生涯の思索の跡をたどる.
内容説明
1890年、明治憲法施行後の第1回衆議院議院選挙に当選し、改進党議院としての正造の活動が始まった。「栃鎮」とあだ名され、異様な風貌の名物代議士として当時の新聞には伝えられているが、独特の憲法観をもって藩閥政府との激しい確執に心血を注ぐ正造の言動の根底にあるものは、強い人民利益実現の志向であった。本巻では、大同団結に関わる初期議会期と日清戦争以後に大別して、民党政治家としての田中正造の活動に焦点をあてる。
目次
第一章 大同団結・初期議会期(大隅重信宛書簡;津久居平右衛門ほか宛書簡;天海耕作宛書簡;小沼楳次郎宛書簡;佐野常民宛書簡;村山半ほか宛書簡;津久居平右衛門ほか宛書簡;田中たけ宛書簡 ほか)
第二章 日清戦争以後(津久居彦七ほか宛書簡;村山半宛書簡;予算委員会における臨時軍事費につき賛成演説;島田静一郎宛書簡;予算、勝算、及決算;津久井彦七・津久居平右衛門宛書簡;板橋六郎宛書簡;新聞法案に関する政府委員末松謙澄の答弁につき質問 ほか)