感想・レビュー
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奥澤啓
30
開高健の食エッセイの名著『最後の晩餐』(1979年刊)は、アンデス山中に墜落した旅客機の生存者が、死亡した同乗客の肉を食べた事件と、中国で続けられた「喫人」(趣味として人肉を食べる行為)をテーマとした文章で締めくくられる。その際、基本資料としたのが、本書に収められた桑原隲蔵による「支那人間に於ける食人肉の風習」(大正13年)である。前漢・後漢時代、唐代でも、病死体以外の人肉が「争って食べられたらしい(『最後の晩餐』、377頁、初版)。興味のある方はお読みください。人を食べる話が延々と紹介されています。2014/12/25