出版社内容情報
晩年の映画作品3作のシナリオを収録．既刊全集と合わせると全監督作品が網羅される．その他，遺作『雨上がる』『海は見ていた』，傑作『黒き死の仮面』を収録．黒澤明の全貌を伝えるファン，映画研究者必携の全集完結．
内容説明
９０年代以降。こころの機微に触れる新境地を示す作品群。混沌の２１世紀を生きる人々をいやす、巨匠の静かなメッセージ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こうすけ
18
黒澤明全集、最終巻。前巻はだいぶ面白味が落ちていたが、今回はグッと楽しく読めた。遺作『まあだだよ』、脚本作『海は見ていた』が特によかった。『黒き死の仮面』も斬新な構成。全集通して考えると、黒澤は文芸・舞台劇テイストに行こうとする傾向がちょこちょこあり、それらは基本よくない。反面、やはりエンタメに徹すると凄まじい。最終巻は、その二つの面がうまく混ざりあっている作品が多い印象。2021/06/25
