感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
てれまこし
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民族主義の興隆を世界の大勢とし、民族主義の帰結として民主化は不可避とする大山は、日本の新領土に関しては同化を唱え、また中国の民族主義運動には冷淡である。まだ朝鮮や中国において民族運動・独立運動が激化しておらず、日本ではよく知られていないからなのだが、ヨーロッパの辺境の民族運動には注目し共感しているから、どうも自国に関する反省が足らんという謗りは免れない。そうなったのも、中国人や朝鮮人の政治的主体性を過小評価していたためで、東洋文明への評価が低いのである。それゆえに、アジア主義にも冷淡にならざるを得ない。2018/03/23