感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
てれまこし
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統治者と被治者が同一民族に属することを要求するナショナリズムは、帝国主義に対する民主的闘争へと結びつく。だが、植民地化を避けられた日本のような場合でも、ナショナリズムは国家からは自立した存在としてのネーションの存在を主張し、国家の民主化を促す。国家は国民の文化生活の発展という目的を達成する手段に過ぎず(不可欠な手段ではあるが)、文化発展は個人の自由な精神生活に依存するが故に、多元的な社会を必要とする。このナショナリズムと民主化と国民国家の自明ではない関係が大正デモクラシーの一つの主旋律であった。2018/03/07