「死んだほうがいい」が問いかけるもの―安楽死をめぐる言葉をたどる

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「死んだほうがいい」が問いかけるもの―安楽死をめぐる言葉をたどる

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  • サイズ 46判/ページ数 292p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784000617574
  • NDC分類 490.15
  • Cコード C0036

出版社内容情報

「こんな状態なら死にたい」「迷惑をかける人は死んだほうがいい」――難病等を理由に自ら死を望むことと、障害者や高齢者に他者が死を迫ることがともに「安楽死」という言葉で語られる。その背景には、何があるのか。死を望む人の根底にあるものをたどり、どんな状況にあろうと、誰もが肯定されながら生きるための言葉を探す。


【目次】

 はじめに

Ⅰ 文学から「死にたい」を考える

1章 安楽死願望の背景をさぐる――橋田壽賀子、森歐外、そして近年の安楽死・自殺の生死をめぐるエッセイより
 「死の恐怖は死そのものより人を悩ます」
 『安楽死で死なせて下さい』――橋田壽賀子の安楽死観
 『高瀬舟』――森歐外の安楽死観
 「生か死か」に揺らぐ天秤はどちらに傾くか
 『境を越えてPart1このまま死ねるか!?』――岡部宏生さんの場合
 『私の夢はスイスで安楽死』――くらんけさんの場合
 『しにたい気持ちが消えるまで』――豆塚エリさんの場合
 死にぞこないの生の肯定

2章 介護文学と「死んだほうがいい」――『ロスト・ケア』、『恍惚の人』、『スクラップ・アンド・ビルド』、『介護入門』を通して
 『ロスト・ケア』――この社会には穴が空いている
 『恍惚の人』――老いは死よりずっと残酷だ
 『スクラップ・アンド・ビルド』――こうして孫をひっぱりまわすこの人は、生にしがみついている
 『介護入門』――《介護地獄》、おお、なんと哀れな貧しい言葉か!
 介護をめぐる文化の成熟のために

Ⅱ 近年の安楽死の議論をめぐって

3章 トラウマ、死の刻印、安楽死希求――障害者運動と安楽死を望む声の対立をめぐって
 なぜ生きる方向を支持すると非難されるのか
 「やっとこれで正当な理由で死ねると思ったんです」
 トラウマによる死の刻印とつながりの喪失
 トラウマと自殺企図の関連性
 安楽死希求の背景に思いを馳せる

4章 安楽死は自殺問題の解決なのか――障害者運動と安楽死を望む声の対立をめぐって(続)
 「安楽死を認めないということは、「私に自殺しろ」ということですか!」
 安楽死における「自殺仮説」
 自殺のハイリスクグループとの連続性
 自殺よりも安楽死が望まれる理由
 安楽死は自殺問題の解決となりうるか
 自己存在に対する脅迫と怯え、そして一条の光としての自殺願望
 浄化されないルサンチマン(怨念)

5章 「ALS嘱託殺人」と隠蔽されたもうひとつの事件
 「生命軽視」の犯罪か、「救済」か
 審理された三つの事件
 「精神障害を有する高齢者殺人事件」の経緯
 事件前後のやりとり
 大久保被告の生い立ち
 死に魅入られている感覚
 死にたい思いへの共鳴と有印公文書偽造事件
 ALS嘱託殺人事件が起きるまでの出来事
 事件現場と法廷での被告の涙
 判決文
 救いと殺人
 「生命軽視の姿勢」の根底

Ⅲ 安楽死の「野生化」

6章 相模原障害者殺傷事件における「安楽死」
 刑事裁判の概要
 女性棟での凶行と、女性入所者の被害の甚大さ
 男性棟における被害者の選別とむき出しの

内容説明

「こんな状態なら死にたい」「迷惑をかける人は死んだほうがいい」―難病等を理由に自ら死を望むことと、障害者や高齢者に他者が死を迫ることがともに「安楽死」という言葉で語られる。その背景には、何があるのか。障害者たちの地域での自立生活に長年尽力してきた著者が、死を望む人の根底にあるものを探り、どんな状況にあろうと、誰もが肯定されながら生きるための言葉をつむぐ。

目次

1 文学から「死にたい」を考える(安楽死願望の背景をさぐる―橋田壽賀子、森鷗外、そして近年の安楽死・自殺の生死をめぐるエッセイより;介護文学と『死んだほうがいい』―『ロスト・ケア』、『恍惚の人』、『スクラップ・アンド・ビルド』、『介護入門』を通して)
2 近年の安楽死の議論をめぐって(トラウマ、死の刻印、安楽死希求―障害者運動と安楽死を望む声の対立をめぐって;安楽死は自殺問題の解決なのか―障害者運動と安楽死を望む声の対立をめぐって(続)
「ALS嘱託殺人」と隠蔽されたもうひとつの事件)
3 安楽死の「野生化」(相模原障害者殺傷事件における「安楽死」)
終章 意志的な死と、そのあとにくるもの―自己決定による安楽死から本人の望まない死への過程

著者等紹介

渡邉琢[ワタナベタク]
1975年生まれ。京都大学大学院文学研究科博士前期課程修了(西洋近世哲学史専攻)。日本自立生活センター事務局員、NPO法人日本自立生活センター自立支援事業所介助コーディネーター・相談支援専門員、ピープルファースト京都支援者。現在は、障害者の自立生活運動や介護保障運動に事務局兼介助者として尽力している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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山口透析鉄

21
市の図書館本。安楽死をめぐり、障害者問題に長く関わってきた著者の本、初読の方です。高瀬舟・恍惚の人といった有名な文学作品などから解きだし、いわゆるネガティブケイパビリティの話も出てきます。 自死に関する話題の記述も多く、安楽死と自死の違い、洋の東西での違いも出てきます。宗教では自死は罪とされていますので、そこはある種の日本の死生観(武士階級などがその代表でしょうか)とは異なるものもあるのでしょう。 植松死刑囚の言動と標的の選び方、ある意味、分かり易いです。事件の詳細も記述されていたのは(以下コメント欄) 2026/07/07

にゃにゃころ

19
優生思考が蔓延る中、著者の言いたいことはよくわかる。安楽死制度ができて、他者には絶対強要しないといいつつ、「生産性のない人間はいらない」となるのを危惧するのもわかる。でも、全く同じ状況であっても「どんな苦痛の中でも生きたい人」と「もう楽にして欲しい人」がいる。耐え難い苦痛の中、小さな幸せを感じて生きててよかったと思える人もいれば、同じことを幸せと感じられず、とにかく苦痛から逃れたい人もいる。結局「逃れたい人」は自分が望んでいても認められない。生きてて欲しいという人は、この気持ちを理解しようとしてくれない→2026/07/16

chuji

4
久喜市立中央図書館の本。2026年5月初版。初出「世界」2021年8月号、22年12月号、24年5月号、6月号、「賃金と社会保障」2020年8月号に書き下ろしを加えて書籍化したもの。『難病等を理由に自ら死を望むことと、障害者や高齢者に他者が死を迫ることがともに「安楽死」という言葉で語られる。その背景には、何があるのか。』中々難しい事柄です。2026/06/07

takao

2
ふむ2026/06/24

chocolemon

2
安楽死を通して、生命観、人間観についても深く考えさせられた一冊。一言で表すなら、生き続けることの絶対的肯定か。障害者支援に携わってきた著者の主張には、説得力がある。2026/06/05

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