出版社内容情報
フランスにおける右派の多様な流れを体系化した古典的名著。一八一五年以降の政治的潮流を、レジティミスト、オルレアニスト、ボナパルティストの三つを軸に、第二次大戦期のヴィシー政府やド・ゴール時代を経て現代に至るまで叙述。複雑に絡みあう思想系譜を明らかにした本書は、保守や極右を知るための必読書。(解説=松本礼二)
【目次】
凡 例
略号一覧
序
第一章 右派を探し求めて
定義、数え方――関連する二つの作業
二元的体系は現実を反映しない
潮流は三つか、四つか、あるいはもっとあるか
区分は現実に存在する
相対的な位置関係
複数の右派
右派の三つの伝統
新しい右派か
第二章 一八一五―一八三〇――ユルトラシスム
――過激主義と伝統――
一 陛下の反対党
二 経験主義と体系――政治的ロマン主義
三 ユルトラ派の国――その基盤
四 反対派のなかの分派
第三章 一八三〇―一八四八――レジティミスム
――アンシアン・レジームのフランスと新生フランス――
一 ユルトラシスムからレジティミスムへ
二 過去という重荷――古きフランス
三 未来への約束か――若きフランス
第四章 一八三〇―一八四八――オルレアニスム
――自由主義と保守――
一 右に傾く中道
二 中 庸
三 オルレアン派の社会――エリート層
四 一つの政治哲学――自由主義
五 秩序と自由
第五章 一八四八―一八七〇――ボナパルティスム
――「既成」右派と権威主義的右派――
一 秩序党
二 新たな政治勢力
三 名士たちのボナパルティスム
四 オルレアニスト的帝政へ
五 右派のボナパルティスム
第六章 一八七一―一八七九――道徳秩序
――右派諸勢力の連合体――
一 国民議会――古きフランスの復活
二 君主制の二つの伝統
三 ボナパルティストの右派
四 右派連合の解体
五 右派の終焉に向かうのか
第七章 一八九九―一九〇二――もう一つの同盟
――ナショナリズム――
一 三つの新たな右派勢力
二 新たな同盟へ
三 ナショナリズムと極右リーグ
第八章 アクシオン・フランセーズ
――右派の伝統の統合か――
一 完全ナショナリズムと新王党主義
二 アクシオン・フランセーズと右派の長い伝統
三 内部の矛盾――統合の失敗
第九章 一九一九―一九三九――第三の同盟 国民ブロック
第一〇章 一九三〇年代――極右リーグの時代
一 フランス・ファシズムは存在したのだろうか
二 ファシズムとは何か
三 プレファシズム
四 右派とファシズム
五 なぜフランスはファシズムを免れたのか
六 過激主義の優勢と右派の分裂
第一一章 一九四〇―一九四四――ヴィシー政権、国民革命、右派
第一二章 第四共和制――右派の復活
第一三章 第五共和制



