出版社内容情報
左川ちか(1911-36)の詩の世界において、「馬」は発狂して山をかけ下り、「海」は天にあがる。乾いた抒情と躍動感に満ち、「緑」「太陽」「昆虫」「動物」「植物」といったモチーフが自在に変態するその作品は、読む者に常に新たな驚きをもたらす。神話化されたイメージを超えて、来るべき詩人・左川ちかを多角的に読み解く。
内容説明
閉ざされ、囲い込まれ、神話化されてきた左川ちかのテクストが、いまひらかれる。昭和の詩壇で一瞬の煌めきを放った詩人・左川ちか。再び注目を集めるその人生と作品を読み解く。
目次
第一章 年譜の行間から
第二章 左川ちかを読む1―詩的生態系の撹乱
第三章 左川ちかを読む2―動物と権力をめぐって
第四章 左川ちかを読む3―ジェンダーと動物の「自然」から遠ざかる
第五章 読みつがれる左川ちか
第六章 左川ちか 来るべき詩人
著者等紹介
川崎賢子[カワサキケンコ]
1956年生まれ。文芸・演劇評論家。東京女子大学大学院文学研究科修了。博士(文学)。近現代日本のモダニズム文学・文化研究を専門とし、『左川ちか詩集』(岩波文庫、2023年)の編者を務める。著書に、『彼等の昭和―長谷川海太郎・〓二郎・濬・四郎』(白水社、1994年、サントリー学芸賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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