出版社内容情報
世界遺産・法隆寺は、かつて建立・再建年代をはじめ多くの点で論争の的となってきた。その創建者・聖徳太子も、没後早くから神話化され、時代ごとに人物像が様々に変化してきた。一四〇〇年の歴史を重ねた今、最新の研究成果に基づいて確かに言えることは何か。飛鳥・奈良時代研究の第一人者が、その真実の姿を解き明かす。
内容説明
世界遺産・法隆寺とその創建者である聖徳太子を巡っては、一四〇〇年に及ぶ歴史の中で様々な評価がなされてきた。最新の研究成果に基づいて確かに言えることは何か。本書は、既知の史料や新発見史料に新たな光を当て、法隆寺の形成過程やその歴史的価値を明らかにし、法隆寺を核に聖徳太子の人物像が展開・流布していった状況を探る論考を集成する、法隆寺と聖徳太子を理解するための原点となる一冊。
目次
第1部 法隆寺の創建・復興とその時代(飛鳥時代の法隆寺―創建から焼失、復興まで;法隆寺資財帳をどう読むか;金堂壁画―外国文化の受容と画師たち;白鳳文化と亡命百済人;古代天皇の諡号をめぐって)
第2部 聖徳太子信仰の展開(奈良時代の法隆寺と太子信仰;磯長墓―太子はどこに葬られたのか;「南無仏舎利」伝承の成立 ほか)
第3部 法隆寺研究の周辺(壁画撮影の先駆者・田中松太郎;正木直彦が贈った百済の石燈籠;古代寺院の僧房と僧侶の持戒生活;片岡王寺と百済系氏族)
著者等紹介
東野治之[トウノハルユキ]
1946年生。大阪市立大学大学院修士課程修了。日本古代史専攻。奈良文化財研究所勤務を経て、大阪大学教授、奈良大学教授を歴任。大阪大学および奈良大学名誉教授。東京国立博物館客員研究員。日本学士院会員。杏雨書屋館長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。