出版社内容情報
戦前の弾丸列車に起源を持ち、戦後日本の発展の象徴となった新幹線。その技術を吸収し成長した中国と競う高速鉄道商戦は、日中のナショナリズムを刺激する。三〇年に渡り新幹線輸出の舞台裏を取材した記者が、中国、香港、台湾、韓国、東南アジアから東欧へと列車で訪ね、考えた。移りゆく日中関係とアジアの未来とは--。
内容説明
戦後日本の発展の象徴、新幹線。アジア各地で高速鉄道の新設計画が進み、中国が日本と輸出を巡って競い合う現在、新幹線はどこまで日本の期待を背負って走るのか。一九九〇年代から始まった新幹線商戦の舞台裏を取材し、世界最長の路線網を実現した中国の高速鉄道発展の実像に迫る第一部、中国、香港、韓国、東南アジア、インド、ハンガリーなど世界各地をたずね、鉄道を走らせる各国の思惑と、現地に生きる人々の声を伝える第二部を通じて、時代と共に移りゆく日中関係を描き出し、日本の現在地をあぶりだす。
目次
第1部 海を渡る新幹線(幻の新幹線輸出計画;友好の象徴 打算と贖罪;鉄輪VSリニア 紆余曲折;砕けた友好の呪文 政冷経熱;中国高鉄大躍進と急減速;そして、あの事故 暗転;国威を乗せたライバル;赤い超特急「復興号」と鉄のラクダ)
第2部 大東亜縦貫鉄道と一帯一路(歴史の貯蔵庫、瀋陽鉄路陳列館で「あじあ」号に出会う;三本のレールに歴史あり 中越を結ぶ寝台列車;ラオスの夢か、中国の罠か 「陸鎖国」に乗り込む鉄道;マイペースなタイ マイペンライな新幹線;「マラッカジレンマ」がせきたてるマレーの鉄路;バンドン・ショックの示唆 インドネシア;「赤いはやぶさ」発車ベルはいつ? インド;「契約一〇年機密」の鉄道 ハンガリー;「ひかり」「のぞみ」が走った鉄路で 韓国;デモ隊と歩いたトラムの道 香港)
著者等紹介
吉岡桂子[ヨシオカケイコ]
ジャーナリスト。1964年岡山県生まれ。山陽放送アナウンサーから、89年に朝日新聞記者に転じる。中国や日中関係を主に取材している。朝刊に約10年間、「多事奏論」「ザ・コラム」「波聞風問」などコラムを執筆。対外経済貿易大学(北京)で中国語研修後、上海特派員、二度にわたる北京特派員を務め、中国に通算8年間駐在。2020年秋まで編集委員として3年半にわたってバンコクを拠点に20数か国を訪ね、中国の影響力を探った。米・戦略国際問題研究所(CSIS)客員研究員(07~08年)。ユーラシアから日中関係を考えようと、23年秋からブダペスト・コルヴィヌス大学客員研究員として渡欧する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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