出版社内容情報
黄河のほとり、第九十九更生区。知識人たちはここで「こども」に監督され、再教育を受ける。解放を夢みて狂騒的な鉄鋼農業生産に突き進む彼らを、やがて無謀な政策の果ての大飢饉が襲い……。不条理な政治に翻弄される人間の痛ましくも聖なる苦闘を、「四つの書」の形式で語る。大躍進時代を彷彿とする歴史の暗部に挑んだ意欲作。
内容説明
黄河のほとり、第九十九更生区。知識人たちはここで「こども」に監督され、再教育を受ける。解放を夢見て狂騒的な鉄鋼農業生産に突き進む彼らを、やがて無謀な政策の果ての大飢饉が襲い…。不条理な政治に翻弄される人間の痛ましくも聖なる苦闘を、『天の子』『旧河道』『罪人録』『新シーシュポスの神話』―「四つの書」の形式で語る。大躍進時代を彷彿とさせる歴史の暗部に挑んだ代表作。マン・ブッカー国際賞最終候補、フランツ・カフカ賞受賞、フェミナ賞外国小説部門候補、紅楼夢賞審査員賞受賞。
著者等紹介
閻連科[イエンリエンコー]
1958年中国河南省の寒村に生まれる。高校を中退後、出稼ぎ労働に従事。20歳のときに人民解放軍に入隊し、部隊の創作学習班に参加する。80年代から小説を発表、92年に中編『夏日落』が発禁となり注目を浴びた。2004年の『愉楽』で老舎文学賞を受賞するも、『人民に奉仕する』(05)で再び発禁処分を受け、『丁庄の夢』(06)は一時販売中止になる。『四書』(11)は大陸で出版できず台湾で刊行されたが、翻訳がフェミナ賞外国小説部門とマン・ブッカー国際賞の候補作になる。14年にはフランツ・カフカ賞を受賞した
桑島道夫[クワジマミチオ]
翻訳家、静岡大学人文社会科学部教授。東京都立大学大学院博士課程中退。専門は中国近現代文学、日中比較文学文化(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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