出版社内容情報
松田 武[マツダ タケシ]
著・文・その他
内容説明
日米関係を「対等な関係」とは程遠いものにさせている原因は何なのか。戦後から今日に至る日本政府の「対米追随」は、どのようにして「日本が望んだ」ものとされていったのか。日米安保体制の歴史的構造を、アメリカ史と日米関係史の観点から多角的に明らかにし、日本とアメリカの両者がたどった複雑な歩みを炙り出す。
目次
第1部 日米関係とアメリカ史(日米関係史の接近法と基本的視点;日本が付き合う米国とはどのような国か;変わりそうで変わらない米国の深層文化)
第2部 強いられた「自発的隷従」(日米関係の新スタート;日米から見える「一九五〇年代」という時代)
第3部 「自発的隷従」の固定化(ライシャワーと日米新時代;文化外交としての日米文化教育交流会議;ガリオア・エロア返済金問題と日米関係 ほか)
著者等紹介
松田武[マツダタケシ]
1945年生まれ。1979年、ウィスコンシン大学大学院歴史学研究科修了(Ph.D.)。京都外国語大学・京都外国語短期大学教授、前学長。専攻はアメリカ史、アメリカ対外関係史、日米関係史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Mc6ρ助
16
『ダレスは、日本人が「人種的にも社会的にも中国人や朝鮮人、それにロシア人よりも優れている」という優越感情を抱いていること、それに、「アングロ=サクソン民族のエリート・クラブの正会員として扱ってほしいという強い願望を抱いている」ことを熟知しており、彼は、日本人のこれらの特質を対日平和条約の交渉において最大限に活用したのであった。(p71)』アメリカへのポチ度に辟易する最近の自公政権だが、先の大戦の直後から掌の上だったことがよく分かってしまう。さあ、どうする日本。2023/02/04
さなぎ
1
挑戦的なタイトルに惹かれ購入しました。最近、戦後史を読んでいますが、アメリカ側の資料に拠る本が多く、日本側からの資料に基づく本がないことが大きな問題だと感じています。近代国家として、文書の保管、公開こそより良い国にしていく根幹なのに、それを蔑ろにしては考えることもできません。自発的隷従だったかも検証できないことこそ、憂うべきでしょう。さて、アメリカは過剰に消費し、過剰に心配し、過剰に介入しする過剰国家であることがよくわかります。そんな国とどう付き合って行くかは一筋縄には行かないと思いました。2023/06/02