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出版社内容情報
いじめが社会問題化して30余年、子どもの自殺→原因究明→再発防止、という構図が一般化した。「いじめ防止対策推進法」の制定など、社会に大きな影響をもたらした「大津市いじめ自殺事件」は私たちに何を問うているのか。過熱報道、被害者遺族、加害者とされた側、教師らの経験など、その複雑な全体像に迫る問題提起の書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
小鈴
31
大津市いじめ事件にあなたはどのような印象をもっているだろうか?学校がいじめアンケートを隠蔽したと全国紙にとりあげられて、市と検証委員会が乗り出して自殺をイジメが原因と「認定」した。この事件は高裁で判決が確定し、社会にインパクトを与えた事件であるため裁判の記録を公開している。この本では、事件当初(自殺直後のローカル記事)から注目し、全国紙で隠蔽事件として社会問題化していった過程を分析している。裁判記録やヒアリングを読んで驚いたが、自殺したXは家庭問題で悩み、担任に相談していた。担任は最後まで自殺の原因を→2021/11/08
おおにし
16
本書は2011年に起きた「大津市いじめ自殺事件」とは何であったのかをまとめたルポであるが、社会学者の調査報告書でもあり、ある「いじめ」という出来事がテレビ報道を通じて「いじめ問題」という社会問題へ発展していくプロセスを克明に分析している点に注目したい。ワイドショーが”いじめ苦→自殺”と”教育委員会=隠蔽組織”という構図を設定、誇張した報道で「いじめ自殺事件」へエスカレーションさせ、最後に「いじめ防止対策推進法」まで制定させてしまった顛末には驚いた。テレビは今日もまた別の社会問題を生み出しているのである。2023/06/30
Satoshi Kitazawa
3
周囲にいる人間ほどいじめと気づきにくいというのは、なんだかわかるような気がする。人たらしな仮面を被ったいじめっ子は巧みにマウントをとり、声の小さい、力の弱い、そして優しい同級生を、さもじゃれているように、誰にも気づかれないように、ストレス発散の相手にしたりするんじゃないかな。そんな光景はよく見てきた。冷静に心の優しい子どもたちの表情を見つめ続けて寄り添いたい。2021/12/07
seekingtruth105
0
被害者、加害者とされる人物、教師など多角的に分析されていて、1つの参考となった。2022/07/31