出版社内容情報
それは、本当に「絶対権力」であり、また特殊フランス的な事象だったのだろうか──膨大な先行研究を消化して、絶対主義の理論と実践、さらには歴史観をとらえ直す。ヨーロッパ近世の歴史・思想を考えるために必読の書。(訳者=小山啓子、佐々木真、芹生尚子、高澤紀恵、竹下和亮、林田伸一、正本忍、松本礼子、森村敏己)
内容説明
それは本当に、国家と社会を隅々まで支配する「絶対権力」だったのか。他国とは異質の、特殊フランス的事象だったのか。そして近代フランスは、それと完全に断絶しているのだろうか。―多言語にわたる膨大な研究蓄積を消化して、絶対主義の理論と実践、さらには歴史観を総体的にとらえ直す。ヨーロッパ近世の歴史・思想を考えるために必読の書。
目次
歴史の中の絶対主義、史学史の中の絶対主義
第1部 絶対主義―王政による理論的構築(立法権をめぐる理論としての絶対主義;「立憲体制」としての絶対主義―基本法と慣習法;王権神授説と国家理性)
第2部 絶対主義―王政による実践的構築(諸身分への諮問なく統治する王;絶対主義の手段―国家装置の構築と集権化;絶対主義への抵抗)
第3部 絶対主義は神話か(絶対主義とクロノロジー;絶対主義は存在しなかったのか;絶対主義は全体主義ではない)
結論 絶対主義概念の読み直しに向けて