出版社内容情報
世界で最も有名な内部告発者として尊敬を集めるエルズバーグは、先制核攻撃を含む米国核戦争計画の重要な草案者の一人でもあった。一触即発で第三次大戦になりかねなかった事件など知られざる歴史的事実も含め、内に秘めてきた米国核政策の内実を明らかにした渾身の書き下ろし。核の危機に対するリマインダーとして必読の書。
内容説明
「ペンタゴン・ペーパーズ」の公表で有名な内部告発者は、ケネディ政権の核戦争計画策定にも重要な役割を果たしていた。半世紀にわたってその重い秘密を抱えてきた筆者が渾身の思いで綴る人間の狂気の年代記―それは、いまも続いている。
目次
第1部 爆弾とわたし(どうしてこんなことを?―ある核戦争計画者の来歴;指揮統制―大惨事突発を防げるか;権限委譲―ボタンに伸びる指の数は?;岩国―記載のない核兵器;米国太平洋軍―中国を攻撃する; 戦争計画―「統合戦略能力計画(JSCP)」を読む
バンディにブリーフィングする
「わたし」の戦争計画
統合参謀本部への質問―死者は何人出るのか
ベルリンとミサイルギャップ
二つの演説の物語
わたしのキューバ・ミサイル危機
キューバ―その真相)
第2部 世界滅亡への道(都市を爆撃する;都市を焼き払う;一国の国民を殺す;世界滅亡の危険を冒す1―大気の発火;世界滅亡の危険を冒す2―地獄の爆弾;ストレンジラヴ博士の不合理;先制使用の威嚇―米国の核兵器を使用する;世界滅亡装置を解体する)
著者等紹介
エルズバーグ,ダニエル[エルズバーグ,ダニエル] [Ellsberg,Daniel]
1931年シカゴ生まれ。戦略研究者、平和運動家。元米国防総省勤務。ハーバード大学卒業後、ケンブリッジ大学に留学。その後1954年海兵隊に志願、57年に中尉で退役してハーバード大学に戻り、ゲーム理論の研究で博士号取得。ランド研究所入所、64年に国防総省に移って国防次官補特別補佐となり、65年ベトナム戦争にゲリラ対策顧問として参加する。67年ポーター次席大使の下でベトナム戦争の平定計画担当補佐官となったが、米国のベトナム政策に批判的になり、同年7月に帰国してランド研究所に復帰。71年に国防総省のベトナム戦争介入に関する“機密”文書(ペンタゴン・ペーパーズ)を『ニューヨーク・タイムズ』や『ワシントン・ポスト』などに内部告発して合衆国法典793条e項(国防機密漏洩罪)違反に問われたが、ロサンゼルス連邦地裁で公訴棄却の判決を受ける。のち軍縮の研究に従事しながら平和運動、反核デモに参加、チェルシー・マニングやエドワード・スノーデンへの援助活動も行っている。2016年、ドレスデン平和賞受賞
宮前ゆかり[ミヤマエユカリ]
コロラド州ボルダー在住。フリーランスのリサーチャー、翻訳家。TUP(平和をめざす翻訳家たち)メンバー。ボルダーの独立系ラジオ局KGNUでニュース番組や音楽番組を手がけるプロデューサーでもある。元ナイトリッダー新聞社メディア研究員
荒井雅子[アライマサコ]
翻訳者。TUPメンバー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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