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出版社内容情報
390曲に及ぶ全自作詞を網羅。アメリカ大衆歌謡の伝統を汲みながら詩に新地平をひらき、音楽とことばの限界を超えていった現代の吟遊詩人の神髄を、レノンやピンチョンの名訳者による最高の対訳で贈る。風に舞う問いとともに雷鳴を引きつれ、血の滲む運命の道を歩みつづけた50年にわたる創作の軌跡。詩神との至福の対話がここに。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
lily
93
ボブディランでさえ巷のアーティスト同様に恋愛依存症から抜け出せない詩を飽きもせず繰り返し綴る。懶いから燦として輝く憧憬へと。でも君はそのような詩を泡沫のシャーデンフロイデと見ているようだ。それでもいい。できるだけ長い時間一緒にいたいなんて幼稚な言葉は呑み込んで月1会えれば万々歳とするような未来型恋愛形を創ろう。君の5w1hはさっぱり不透明だが何も問題ない。僕の所有物でもあるまい。自由でいてくれ。その代わりに君を前にすれば全力投球で心と躰を絡ませて欲しい。メビウスの輪にように。今だけは漲る愛を無限を刻もう。2020/11/21
ポテチ
25
ボブ・ディラン全訳。ノーベル賞とった時から気になってて、図書館で見つけたから読んでみた。辞書かと思うくらいの分厚さで、思いきって片っ端から読み切ったら、自分至上最高に求めていた言葉に出会えた。読む価値あったなー。社会問題的なものもあって理解不十分なところもあるけど、信仰の極致、愛の極致を堪能しました。前編も読むぞ。2022/04/29
ロビン
18
フォークの、あるいはロックの神さまと呼ばれるボブ・ディランの1974-2012の詩業を収録した下巻。相変わらず多彩なテーマとスタイルだが1980年にリリースされたアルバム「セイヴド」では真摯な信仰心が前面に出ており、ここまで真剣な信仰を抱いている人だとは知らなかったので驚かされた。ただ、フォークからロックに転身するなど変化の大きなアーティストなだけに、リリース当時の社会状況やディランの置かれていた環境や心境などは全く解説がなく分からないのは厳しく、気になるところは自分で調べる必要があるのが難点かと思う。2020/12/01
yapipi
15
それまでの象徴的な詩やラブソングに加えて(プロテストは重要ではないと思う)、三十代になってキリスト教(ディランはユダヤ系)という新しい要素が加わり骨太な詩になる☦️四十代の低迷期、何をしてもうまくいかなかった。しかし、それを経て五十代後半には、深い深い陰影のある独自の境地に達する。ディランの音楽もビターな味わいを増す。グラミー賞の最優秀ロックアルバム賞受賞時に歌った「ラブ・シック」は、なんだか神がかって聞こえる。いや凄いなぁ、と私は思った☺️そんなディランはもう八十過ぎ、あと一枚アルバムが出るかどうか・・2025/11/30
KDS
5
プロテスト・ソングに傾倒した60年代、ラブソングを数多く発表した70年代を経て、本書に収録されているのはそこから現在まで実に40年もの長きに渡って綴られてきた珠玉の作品群。1963年「時代は変わる」で「口を挟むのはやめてくれ。あんたの道は年老いたんだ。時代が変わっているんだからさ」と歌っていたディランが、2000年の「シングス・ハヴ・チェンジド」では「人は狂態、時代は異様。おれは圏外、世の中すっかり変わったもんだ」と歌っているのに、なんだか時の流れを痛感させられたりもする。だけどまだまだ現役のディラン様。2022/02/03




